こんにちは。今回は特に小学生以下のサッカー選手に向けた【脳を傷めないヘディングの練習方法】をご紹介します。
ヘディングはサッカーの魅力の一つではありますが、頭にボールを当てる以上、やり方によっては危険が伴うのも事実です。
脳への影響は年々危険視されており、特に低年齢児のヘディングはなるべくさせないようにするのが世界的な動きです。
アメリカやイングランドなどでは、脳震盪を危惧する声もあります。
そこで、ここではヘディングの基本的な練習方法をもとに、ケガをしないヘディングの仕方をご紹介します。
ヘディングとは
ヘディングは頭でボールを扱うという他のスポーツでは中々見られないプレーであり、例えばディフェンダーが懸命にクリアする姿や、ダイビングヘッドでの豪快なゴールは観客を魅了するプレーの1つです。
ちなみにこのヘディングを発明したのはシェフィールド・ウェンズデイFC(イングランド)の選手です。
ヘディングで怪我をしないために
続いて、ヘディングで怪我をしないための知識や考え方を自分の経験も踏まえてご紹介します。
ヘディングでケガをしないために正しい当て方を学ぶ
怪我をさせないためにヘディングを禁止するのも手ですが、サッカーの試合中、不意に高く上がったボールが頭に当たることは充分考えられます。
特に子供は夢中になりやすいので無意識にボールに頭を当てに行くこともあるでしょう。
基本的な頭の当て方を知って、最低限ボールを頭に当てる経験をしておけば、ケガの予防になると私は考えます。
意識してボールを頭に「当てる」のと、無意識に「当たる」ではダメージが違う
これは私が高校時代の経験ですが、休み時間にグラウンドで遊んでいた際、別のクラスがサッカーをしていて高く当たったボールが私の後頭部を直撃しました。
その瞬間どうやら私は気絶したらしく、気づいたらたくさんの人に囲まれていて心配されていました。ちなみに私はサッカー部でしたしヘディング経験ももちろんありました。
もしこれが試合中で、意識してバックヘッドをしたなら恐らく痛い程度で済んだでしょう。更に後頭部でなければ痛みも減らせたでしょう。
ヘディングは、自分から当てに行く「意識」と「当てる場所」がまず大切です。
ヘディングは頭のどの部分に当てるかが大切
一般的にヘディングは「髪の生え際」で当てるとされています。おでこよりやや上ですね。骨が固い(厚みがある)ためです。
側頭部や後頭部、頭頂部はここより痛いです。トリッキーなプレーが得意なロナウジーニョなどは時々後頭部でヘディングをしていたシーンもありますが、基本的にはまず「おでこのやや上」でプレーすることをおすすめします。
育成年代のための初歩的なヘディングの練習方法
特に小さい子は、慣れない内は目や鼻に当ててしまいがちなので、動かないボールを生え際に当てて感覚を養い、その後は軽く投げたボールに当ててみる、と言った具合に段階を踏むと良いでしょう。
また、練習回数も数回程度にしてダメージを残さない様にすると良いですね。
風船を使ったヘディングの練習方法
「ボールをよく見る」、「おでこのやや上に当てる感覚を身に付ける」といったヘディングの練習方法として、海外で「風船」を使った練習方法を見つけたのでご紹介します。
これなら大事なお子さんの体も心配ないですね。
ヘディングを練習する時のポイント
ヘディングを練習する時は次のことに気をつけて行いましょう。
できるだけ直前まで「ボール」と「周り」を見る
「目を開けたまま」と指導される事が大半でしょうが、当たった瞬間はつぶるものなので「できるだけ」としておきます。良く見る事で鼻や目にボールが当たるのを防ぐという意味です。
また、「周りを」というのは他の選手やゴールポストなどにぶつかるのを防ぐためです。
中心視野の話をしたことがありますが、ボールだけを意識すると他のものが見えなくなり思わぬケガをしてしまいます。
ヘディングの瞬間は腰から上に力を入れる
始めのうちは首を振ってヘディングをしようとしますが、それでは威力の強いヘディングはできません。
首を振るのは「ボールの方向を変える時」で、ちょっと高度な技術です。
まずは、当てる(インパクトの)瞬間、お腹・首に力を入れ固定し、頭だけでなく上半身の力でボールを押し出す様にヘディングすれば威力が上がります。
腕を使うことでヘディングを安定させる
前に出した両腕を引くことで反動をつけて上半身~頭を振るとヘディングの威力がより増します。
また、空中戦では相手とぶつかった時にぐらつかない様、腕を広げることでバランスをとります。
小さい子のヘディングを禁止する世界的な動き
アメリカサッカー協会が10歳以下のヘディング禁止
以下は2015年11月のニュースです。
米メディア『CNN』によると、アメリカサッカー協会は11日までに、10歳以下の子どものヘディングを禁止すると発表した。11~13歳の子どもは練習中のヘディングの回数に制限を設けられることになる。米国では、スポーツ選手の脳震とうに関する問題について関心が高まっていた。
イングランドでも10歳以下のヘディングを禁止の動き
2017/1/10:追記
イングランド・プロサッカー選手協会(PFA)は2016年12月30日、脳機能や記憶力への危険性の高まりを受け、10歳未満の子供のヘディングを禁止するようイングランドサッカー協会(FA)に提言しました。
脳を傷めないヘディングの練習方法:まとめ
昔に比べればボール自体の素材も変わり、ケガがしにくい様になってはいますが、それでも頭は特に大事な部分です。
指導者時代、浮いたボールは何でもかんでもヘディングさせたがる他チームの監督を見かけたこともあり、まだまだケガへの意識が薄い現状を感じたこともあります。
少し専門的な話をすると、HIC(Head Injury Criterion:頭部障害基準値)というのがあり、簡単に説明すると、この値が1000の場合、ケガを必ずしている状態で数値が上昇するにつれ障害~死亡の可能性が上がるというものです。車の衝突実験などでも使われる数値の様です。
ヘディング1回はおおよそ70だそうです。しかし、試合だとダメージを回復する前にヘディングを何度も繰り返すので蓄積されてしまいます。
ですので、育成年代は
- 最低限の感覚を養う
- 痛くない部分、ヘディングの仕方を覚える
- 練習回数は少なく
にとどめるのが私は良いと思います。
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