【この項目の概要】
日本のサッカー界では試合における「体の向き」及びそれによる「視野の確保」の事を
【ボディシェイプ】と言います。
この言葉が出始めた当初はサッカーにおいて最も大切なスキルとしてトレセンなどでも教えられた様です。
「視野の確保」がメインとして広まった様ですがそこから「姿勢」「体重移動などバランス」等の意味も含むようになりました。
ここではボディシェイプの基本的な事から解説していきます。
まず英語としてはボディシェイプだと意味が違うので注意
ボディシェイプ自体の説明に入る前に、単語としての確認です。
body-shape だと「体形」と言う意味になります。
体の向きという意味はない様なので、英語圏から来た子供を指導する様な時は注意が必要ですね。
(なんで適当な英語が多いんでしょうかね。レガース(すねあて)も「レッグ(脚)」から来た和製英語ですし)
ボディシェイプが重要視される理由
時代と共にサッカーではよりスピーディな展開と豊富な運動量が要求される様になりました。
これにより、判断の早さ、次のプレーに移るまでの速さ、激しいプレッシャーへの対応など、
- ボールを失わない(パスミスでのインターセプトや相手選手に奪われない)
- 素早く正確に繋ぐ(ポゼッションの隆盛など)
こういったスキルが必要となり、これを高めるにグッド・ボディシェイプを追及する様になっていったのです。
では、どういった体の向きが「グッド」なのでしょうか?
グッド・ボディシェイプの具体例
こちらの図をご覧ください。
サッカーの練習ではお馴染み『ロンド(鳥かご)』ですね。
どこのチームでも年齢が一定以上なら1度は練習した事があると思います。
ですが、
これだとあまり良い体の向きをしていない選手がいます。
わかりますか?
………
……
…
「D」?
そうですね、確かにボール保持者の「C」側に体が向きすぎているので「A」への展開が遅れやすいですね。
また「D」ほどではないですが「B」もその傾向がありますね。
ですが
そもそも、4名ともベストではありません。
何故か
グリッド(四角に区切られたコート)の場合、角に立ってしまうとパスコースが最大でも90度しかありません。
自らパスコースを限定してしまっているのです。
一方、
上記の様な向きと位置取りにすると、パスコースが180度になり選択肢が増えますし、タッチ制限が無ければドリブルで相手をかわすスペースも増えます。
「半身」など、ほんの少しの違いが大きな差を生む
かつて本田圭佑選手と中田英寿(元)選手が対談した時に中田選手がボールを半身で受ける大切さを説いていましたが、ちょっとした体の使い方でその後の展開が大きく変わります。
特にセリエAでは目の肥えたお客は前を向ける場面でバックパスをした選手には容赦なくブーイングを浴びせます。
それくらい試合の展開を意識した準備が必要なのです。
必ずしも 前を向く=グッド・ボディシェイプではない
試合の状況に応じて適切なプレーをできる向きや視野確保=グッド・ボディシェイプです。
例えば、どうしても相手を背負ってボールを受けるシーンもあるでしょう。
そういった場面でもボールを奪われず繋げる、相手をいなせる、そういった対応ができる事が大切です。
ボディシェイプでプレーの質を上げる:まとめ
ボールを扱うスキルと違い、ボディシェイプは意識すれば割とすぐに改善されます。
それこそ経験が浅くても体の向きを変えることはできますよね。
俯瞰の目の項目でもお話しましたが、サッカーにおいて重要なのは「いかに情報を集め最適なプレーをするか」です。
そのための1つの方法としてボディシェイプを意識して練習してみてください。
ただし、いかにボールの受け方が良くてもトラップミスやパスミスをしては意味が無い事はわかりますよね 笑
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