こんにちは。いつもご覧いただきありがとうございます。
今回はフットサルにおけるPK戦(KFPM=Kicks From the Penalty Mark)での審判や選手の位置や、クリアランス時にGK(=ゴールキーパー。フットサルではゴレイロと呼びます)がペナルティエリアラインを超えた場合、キックインファールなど、判定を間違えやすいルールについてご紹介します。

by サカボン(自作画像)
審判資格の更新時に改めて確認したら意外と思い違いをしていたことがあったのでここでも共有します。
フットサル審判を行う方のお役に立てば幸いです。
フットサルのPK戦における審判や選手それぞれの位置について
フットサルのPK戦では、サッカーのPK戦とは審判も選手も位置が異なります。
これは言葉よりも図で見たほうが早いので下記の画像をご覧ください。

by サカボン(自作画像)
サッカーとフットサルでは審判の位置が変わる
まず、フットサルのPK戦ではサッカーとは主審と副審(第2審判)の位置が逆になります。
また、サッカーではキッカーとGK以外の選手はセンターサークル内にいなければなりませんが、フットサルでは「キックを行うハーフと反対側のハーフ内に第3審判と一緒に全員いる」のがルールです。
サッカーと異なり、全ての競技者、交代要員にキックを行うことが認められるのでハーフ内に入ります。
キッカー側チームのGKが待機する場所もサッカーとフットサルでは違う
次にキッカー側チームのGKの待機場所ですが、これもサッカーとは違います。
フットサルのPK戦では、キッカー側チームのGKは
・「交代ゾーンの反対側」に
・「ペナルティーマークと同じレベル」で
・「マークから 5 m以上」離れなければならない
と競技規則で決まっています。
サッカーではキッカー側チームのGKは「ゴールラインとペナルティエリアラインの交点」に位置しなければなりません。構図としては主審側から見ると、ゴールラインとゴールエリアラインの交点に位置している副審の後ろにいる状態です。

by サカボン(自作画像)
この記事を書くためにYouTubeでフットサルのPK戦をいくつか調べてみましたが、正しく行っているものはあまりありませんでした。
そういう私も先日フットサルの審判をした時に、サッカーと同じ位置でGKの選手を待機させてしまったので反省です。
ペナルティマークからのキックを行うゴールの決め方もサッカーとフットサルで違う
サッカーの場合はグラウンド上や安全上の問題がない場合、コイントスでPK戦を行う方のゴールを決めます。
その後、両チームのキャプテンを呼んでもう1度コイントスを行い、勝った方が先攻か後攻かを選べます。
(2017/2018 サッカー競技規則 第10条 試合結果の決定 より)
これに対し、フットサルでは主審が使うゴールを決めます。
(2017/2018 フットサル競技規則 P61 試合、またはホームアンドアウェーの対戦の勝者を決定する方法 より)
その後にどちらのチームが先攻・後攻かを決める方法はサッカーと同じです。
ちなみにサッカーは5本ずつ、フットサルは3本ずつ蹴りますね。
キックを行って得点しても相手の得点に追いつけなくなった時点で勝敗が決定して、残りのキックは行わないのはサッカー・フットサルとも共通です。
審判を行う予定の方は間違わないように注意が必要ですね。
クリアランスの時にGKの足がペナルティエリアから出たら?
続いては「GKのクリアランス」についてです。
特に育成年代(小学生)の試合で見かけることが多いですが、GKがクリアランスの時にラインを越えてしまうことがあります。
この時、審判としてどういう判断を下していますか?
ちなみに、以前 フットサルでGKがクリアランス時にペナルティーエリアから出てしまったら という記事でご紹介した通り、完全にラインを超えてしまっている時は「カウントはリセットしないでやり直し」です。
では、足だけペナルティエリアから出ていた場合はどうでしょうか?
実は、これは問題ありません。
下の画像をご覧ください。

by サカボン(自作画像)
JFAの解説によると「身体の位置ではなくボールが投げ出された場所に注目します」とのことです。
これもうっかりすると間違いやすいので注意が必要ですね。
右の画像のようにボールを持った手がペナルティエリアから出てしまった場合は、「カウントのリセットはしないでやり直し」です。時間切れになると相手チームの間接FKになるので素早い動作と判断が要求されます。
キックインしたボールがコートに入らなかったら?
最後に「キックインしたボールがコート内に入らない」つまり、インプレーにならない時の判定についてです。
サッカーではボールがコートに入らなかった場合はファールスロー(ファウルスロー、反スローと呼ぶ地域もありますね)ではなくやり直しになります。
さて、フットサルではどうでしょう?
実はこれについては状況で変わります。
下の画像をご覧ください。

by サカボン(自作画像)
左の図はインプレーにならなかったボールに対して4秒以内に相手チームの選手が触った時の様子です。
右の図はインプレーにならなかったボールがそのままコート外を転がって4秒経過した時の様子です。
これで判定が変わります。
まず左の場合だと「カウントはリセットされずにやり直し」となります。
例えば、キックインのカウントが始まって2秒経過した時に相手が触った場合、同じ場所から審判が2秒のシグナルをした状態(次に3秒目をカウントする状態)で再度キックインをするということになります。
「まだインプレーになっていないのにプレーをした」という判断のようです。
一方、右の状況ではインプレーにならないまま4秒経過したので「キックインをした場所から相手チームのキックイン」となります。
どうだったかわからない時に人に尋ねた所、人によって言うことが違っていたのでもやもやしていましたが、今回のJFAラーニングでこちらが出てきたので判明しました。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
「全部知っていた」という方は流石です。審判の鑑(かがみ)ですね。
ルールは毎年変更されていきます。
例えばフットサルであれば2014年の競技規則ではペナルティマークからのキックは「5ほんずつ」となっていましたが今は「3本ずつ」になっています。
競技規則のスタンダードや改正についてはJFA(日本サッカー協会)のHPで動画やテキストで紹介されているので、一度見てみると良いかと思います。
また、毎回公式の試合を担当される審判の方であれば問題ないかと思いますが、グラスルーツでの審判では選手の成長度合いを考慮し独自のルールを部分的に採用する機会もあると思います。
私もそうですが、それに慣れ過ぎると正式な判定ができなくなってしまうので、迷うことがあれば早めに確認してみることをオススメします。
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