こんにちは。いつもご覧いただきありがとうございます。
今回は【サッカーの試合中に尿意を催(もよお)したら、つまりトイレに行きたくなったらどうするのか?】についてです。

by poxabay
小さい子供やアマチュアのみならずプロの試合中でも欧米、南米問わず時々話題になる「試合とおしっこ」の問題。人間の生理現象なので試合前にトイレに行ったとしてもしたくなる時はしたくなります。ではそういう時はどうなるのか?
実際起きた様々なケースと併せてご紹介します。
サッカーの試合中におしっこをしたためGKが退場になった
2017年1月28日、スコットランドの地域リーグで以下の事件(珍事?)が起きました。
Shettleston goalkeeper Gary Whyte sent off after 72 minutes for having a pee behind the goals
— Shotts Bon Accord (@ShottsBonAccord) 2017年1月28日
(リンク切れの際は予めご了承ください)
シャッテルストンのGKギャリー・ホワイトがゴール裏で用を足したため72分に退場となった。
その他、サッカーの試合中に用を足したケース
実は今回の件が世界で初めての事件ではありません。意外と多くの試合で選手は我慢できずにこっそり用を足していたりします。
元ドイツ代表レーマン選手は何とチャンピオンズリーグでの試合中に用を足す
2009年のCL(チャンピオンズリーグ)グループステージ、シュツットガルト(ドイツ)対ウニレア・ウルジチェニ(ルーマニア)の試合で、レーマン選手はボールが相手陣地にある間にこっそりゴール裏の看板に隠れて用を足しました。
本来なら警告となる行為ですが、審判が気づかなかったためお咎めなし。動画もyoutubeにありました(公式のものではないのでリンクはしません)。
元ブラジル代表ロナウド選手はオリンピックの試合中、なんとピッチ上でおしっこ
1996年のアトランタ五輪 ブラジル対ハンガリー戦でボールで股間を隠して用を済ませてしまいました。確かこれは審判に気付かれなかったと思います。
オランダでは負傷者の治療中にGKがゴール裏で用を足す
オランダ4部リーグ、エクセルシオール31対CSVアペルドールン戦では、エクセルシオールのGKコック選手が、ピッチで負傷者が治療を受けるため試合が止まっていたのを見計らってゴール裏にあった広告看板に隠れて用を足しました。こちらは審判も確認していましたが、シャッテルストンのGKとは違い、試合が止まっていたため審判は不問とし、なぜか観客からは歓声も上がったそうです。
他にもフランスリーグやブラジルリーグなどでも目撃談はあります。中には堂々と垂れ流し手プレーした選手もいます。普段紹介しているのとは違った意味でメンタルが強い選手もいるものです。
ルールブックにはトイレに関して審判はどうすべきかの記載はない
上記のGKギャリー選手は退場になる前、副審に「トイレに行かせてくれ」と申し出ましたが、「試合を止められない」と要求を拒否されたので仕方なくこっそりとゴール裏の壁で用を足し、戻ってきたら退場処分にされてしまいました。
シャッテルストンの監督も「未だに退場の理由を知りたいが、競技規則にこういうことは記されていないので、我々は困惑している。」と話しています。
試合中のトイレについて競技規則に書かれていないか確かめてみる
手元にある IFAB laws of the game 2016-2017 (サッカーの競技規則)で探してみました。
IFABについて
IFAB(International Football Association Board:国際サッカー協議会)とは、サッカーのルール制定や重要事項を決める組織で、ここで定められた規則はFIFAに所属する全ての協会での試合(国内外問わず)で適応されます。当然JFA(日本サッカー協会)も含まれます。
確かに、トイレはもとより、体調不良などで試合中にいったん出る場合に関する記載もありませんでした。
ただ、競技規則 第12条「ファウルと不正行為」には
『主審の承認を得ず、フィールドに入ったり、復帰したり、意図的にフィールドから離れる』と警告されるとあります。
つまり、今回のギャリー選手のケースであればイエローカード(警告)が妥当だったのではないかと思います。
審判に許可を貰いトイレに行った選手はいる
ウルグアイ代表スアレス選手は2014年サウジアラビアとの親善試合でちゃんと審判に話し了承を得た上でトイレに行って戻っています。
他には確かチェコのロシツキー選手も試合途中でトイレに向かったことがあったと思います。
追記:2018年3月にセルヒオ・ラモスも試合の途中でトイレに行きました
2018年3月10日のリーガエスパニョーラ 第29節のレアル・マドリード vs エイバル において、レアルの主将であるセルヒオ・ラモス選手が、73分から約5分後の78分までの間、主審に何かを告げた後でピッチから姿を消しました。その間、マドリーは10人で試合をしました。
そのことについて、試合後の会見でジダン監督が「彼はちょっと『大』をしに行ったんだ」と説明しています。
YouTubeに動画がありましたが、スペイン語なのと公式動画ではないのでここでは割愛します。
当然ですが、交代したら試合には復帰できない
サッカーは小学生や特別なレギュレーションを除いて、1度選手交代をしたら再びピッチには復帰できません。トイレに行った選手を試合に出したいのであれば戻ってくるまでは数的不利で戦わなければなりません。
チームの選手が7人未満の場合
もう1つ、11人制サッカーには「いずれかのチームが7人未満の場合、試合は開始も続行もされない」と規則にあります。
ほとんど無い状況なので実際どうなるか不明ではありますが、退場などで自分のチームが7名しかいない時にトイレに行ってしまうと、ルール上は試合が止まってしまうことになります。
ちなみに『意図的に選手がフィールドに出て7名以下になった場合』については、主審はアウトオブプレーになるまでアドバンテージを見てよいことが規則に記載されています。
そしてアウトオブプレー(ボールがフィールドから出るなどで試合が中断した状態)の後も7人未満なら試合再開できません。
サッカーの試合中トイレに行きたくなったらどうするの?:まとめ
明確なルールがない以上、「試合前にトイレを済ませておく」「ハーフタイムでトイレに行く」などできることで対応するしかない様です。今後のIRABに期待ですね。
ただ、大人であってもこういった事例がたくさんあるということは、子供の場合はなおさら緊張などでトイレに行きたくなる場合が多々あると思うので、周りの大人には配慮してほしい所ですね。
交替・再出場が自由な試合であれば、それほど問題にはならないと思いますが。
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