【サッカーボールを中心に味方が輪になったまま運べば相手は取れないんじゃない?】
サッカーをやっていたら1度は思いつく(?)戦法ですね。
実際にサッカーボールを選手で囲んでゴールまで運ぶのはアリなのかナシなのか。意外と明確な答えがないように感じたので、今回はこの件についてお話しします。
ボールを中心にして選手で囲んでゴールまで運ぶ
サッカーボールを選手で囲んで運ぶイメージ図を作ってみました。
確かにフィールドプレイヤー10人で肩でも組みながら少しづつ運べば、相手の選手はボールに触れないし、無理やり奪おうとしたらファウルになりそうですね。
ですが、これはできません。
いきなり結論を言ってしまいました 笑
では、「なぜ駄目か」と「もしやったらどうなるか」という話をします。
サッカー競技規則 第12条 ファウルと不正行為 より
競技規則の文面が変更になり、以下が追記されました。
12.7 身体的接触を伴わない妨害は間接フリーキックとなる
これまでの文章では以下の様に書かれていました。
競技者が相手競技者の進行を妨げた場合も、間接フリーキックが相手チームに与えられる。
これに対し、新しい文章では以下の様になりました。
競技者が次のことを行った場合、間接フリーキックが与えられる:身体的接触を伴わずに、相手競技者の進行を妨げる。
よって、相手がボールを奪おうと向かってくるのを妨げているため、この方法を取ると相手チームに間接フリーキックを与えてしまう反則になるということです。
ちなみに「身体的接触を伴って、相手競技者の進行を妨げる」場合は直接フリーキックになります。
以下は競技規則で説明されている「身体的接触を伴わずに、相手競技者の進行を妨げる」の例です。
※JFAの画像引用ができない様なので自作です
残り時間が少ない時に、時間稼ぎのためにボールを動かさずキープするチームを時々見かけますが、個人がキープするのはともかく、図の様に明らかにボールを囲んで相手が来られない様にするのは反則ということですね。
余談
余談になりますがちょっと違った視点でお話しします。
今回の様な「ルールの裏をつく発想力」というのは、特に育成年代においては大事です。
よく、練習で設定したルールの想像を超えたことをする子がいた時に、頭ごなしに怒ったり否定したりする指導者がいますが、それは成長の芽を摘んでいることになります。
観客を沸かせ、いつまでも記憶に残るプレーは「ファンタジスタ」あるいは「クラッキ」と呼ばれる創造力豊かな選手によって生み出されてきました。
最近はなかなか聞かなくなり少しさびしいですが、サッカーの世界においてもブームは巡り巡るので、「組織」が重視される現代サッカーが一段落したら、また形を変えて「個」を重視するようになるかもしれません。そもそも、組織の中でも判断力や発想力は大切ですしね。
そうした個の強さは、意外と小さな所から育っていくものです。
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