8人制サッカーのフォーメーション:1-3-3-1

今回は主に小学生が行う「8人制サッカーのフォーメーション(陣形)」についてご紹介します。

フォーメーションについては以前、 サッカーのポジション・フォーメーション・役割について でも触れましたが、フォーメーションは時代と共に流行り廃りがあり、それぞれにメリット・デメリット(強み・弱み)があります。

ここでは、11人制サッカーに比べて語られることの少ない、8人制サッカーのフォーメーションについてお話しします。今回は「(1-)3-3-1」についてです。

理論的(と言っても難しくはありません)なことと、実体験に基づいた話をするので、サッカー選手をお子さんに持つ保護者の方や、11人制サッカーでのプレー歴が長い新米指導者の参考になれば幸いです。

 

8人制サッカーのフォーメーション:1-3-3-1 について

下記の図が「1-3-3-1」の配置となります。

8人制サッカーのフォーメーション:1-3-3-1

 

「1-3-3-1」のメリット・強み

1-3-3-1はバランス型

3-3-1のメリット

 

1-3-3-1は、サッカーの基本となるポジショニング(位置取り)である、「三角形」を多く作ることができ、パスを主体とするチームに適しています。

選手のボールを扱う技術が安定していれば、サイド、中央、どこからでも攻撃を展開しやすい陣形と言えます。

また、体格差が顕著に出る育成年代であれば、足の速い子を1トップに置いてカウンターを狙うことや、身長が高い子を置いてクロスからのヘディングという攻め方も考えられます。

もっとも小学生のヘディングについては、今後禁止になっていく流れもありますが。

参考記事:脳を傷めないヘディングの練習方法

 

ザバスのプロテイン ココア味1050g

【PR】ホエイプロテイン100 ココア風味 1050g

XEBIOで見る

Amazonで見る

「1-3-3-1」のデメリット・弱み

デメリット①:1-3-3-1は真ん中が空きやすい

8人制サッカー:3-3-1のデメリット・弱み

 

一方で、1-3-3-1は2列目「3」の真ん中が1人なため、中央から相手に攻め込まれた時に枚数が足りなくなるケースが多いです。

また、図だとあまり感じませんが、実際は3列目・2列目とも左右と中央の選手の間にあるスペースは広くなりがちです。

そのため、選手が孤立する(=1対2など数的不利な)状況を作られやすいとも言えます。

※「3列目=DF」「2列目=MF」の並びのこと

2列目 真ん中の選手は

「ボールをさばくのが上手い(=良い状況判断でパスを回せる)」

「相手が奪いに来てもボールをキープすることができる」

など、相手に対してストロングポイントを発揮できる選手を配置した方が安定はしやすいです。

デメリット①:1-3-3-1はFWが孤立しやすい

A代表(現ハリルジャパン)でも1トップを採用していますが、FWが1枚だと「個」のスキルに依存しやすいフォーメーションと言えます。

それは、2列目の選手と距離があるためボールが来てもパスコースが無かったり、ほぼ最初から相手DFにマークしてくるため、相手に奪われないキープ力や相手を抜く、かわすドリブルなども求められるからです。

そのため、FWから先の展開ができないと攻めあぐねてしまい、ピンチの回数が増えます。

 

<PR>

 

理論ではなく実際に1-3-3-1でチームを率いた時の体験談

私が指導者として実際に1-3-3-1を採用した時のことをお話しします。

そのチームは、区トレ の選手と、簡単なボールコントロールも苦手な子を一緒に試合に出さなければならないチームでした。

 区トレ:その地区の優れた選手が地区協会の担当に選ばれて、強化練習などに参加できる制度。順に区トレ・札トレ・道トレとある。札=札幌 道=北海道

 

選抜テストがある様なクラブチームでなければ、小学生のサッカーならよくあることですね。

基礎的な「止める・蹴る」が苦手なその子でしたが、とにかく走る子だったので、セオリーに反して思い切って『2列目 真ん中』で起用してみました。

すると、攻めに関しては他のポジションにいる子の個人技による展開が多かったですが、守備の時にはその子が一所懸命 相手に向かって走ってくれるので、思いのほかバランスを保つ事ができ、大会でも何度か勝つことができました。

 

8人制サッカーのフォーメーション:1-3-3-1 まとめ

1-3-3-1ではパスや連携がより大切になってくるため、チームに浸透させるには時間がかかります。そのため、チーム事情にもよりますが、出場選手の平均的な能力がある程度ないと、目先の勝利には中々結びつかない場合も多いでしょう。

しかし、選手の将来を考えると、より速い判断力や瞬間での技術が求められるので良い経験は得られるのではないでしょうか。

 

前の記事☞:指導歴が浅い人向け:名監督・コーチと呼ばれる練習の組み立て方②

次の記事☞:8人制サッカーのフォーメーション:1-2-4-1

関連記事☞:【指導者】一覧

コメント