ここでは【サッカーのポジションやフォーメーション・選手の役割】について解説します。
- 「4-4-2」とか「4-3-3」って何?
- 「1-4-4-2」って書いてる時もあるけど
- ボランチ、ピボーテとは?
など、サッカーのポジションやフォーメーションには独特の表現が多いため、疑問に思っていることもあると思います。
そういったサッカー独自のポジション(位置取り)やフォーメーション(陣形)、またそこでの役割などをご紹介します。
こういうことに詳しくなると、サッカーを見る時も、自分がプレーする時も、より楽しさが増しますね。
サッカーのポジションと役割
まずは各ポジション名が書かれたこちらの図をご覧ください。
この図を元にフォーメーションや役割を解説します。
フォーメーションについて
上の図は俗に「(1)-4-5-1」と表記されます。サッカーでは後ろのポジションから人数ごとにフォーメーションを表します。
例えば2016年のイングランド・プレミアリーグで奇跡の優勝を遂げた岡崎慎司選手所属のレスターは基本「4-4-2」でした。
また、本田圭祐選手が所属していた頃のイタリア・セリエAのACミランは「4-3-3」だったり「4-4-2」だったり、残り数試合で「4-3-1-2」に変わったりと安定しませんでした。
サッカー経験者の方はわかると思いますが、ちょっとしたポジションや役割が変わるだけで周りとの連携が上手くいったりいかなくなったりします。
それだけフォーメーション(と戦術)の選手への浸透度合いは重要です。
話を表記の仕方に戻しますが、ヨーロッパでは「1-4-4-2」などGKも含めて表記するのが通例です。
JFA(日本サッカー協会)の発行誌などでもそう表記されています。
(↓指導者資格を取ると専門雑誌が定期的に送られてきます)
補足:選手の数え方としては相手を止めるフィルターをイメージして「1枚、2枚」と表現することもあります。
各ポジションの名称
選手登録に必要となる公式のポジション名は、上の図に示したGK・DF・MF・FWです。
しかし時代と共に戦術や役割が多様化し、また色々な国の表現も混ざって細分化されています。
特に日本ではポジション(=位置)と役割での呼び方が混ざっています。
そこで代表的なものをご紹介します。
GKという名称について
GKはGoalKeeper(ゴールキーパー)の略です。
キーパーと略して言うこともあります。
海外ではゴーリー(goalie)と表記することもあります。
例えばキーパーのことについて海外のサイトを調べたい場合は、「goalie football」などと検索すると色々と出てきますよ。ただし「goalie」だけだとアイスホッケーのキーパーのことが出やすいです。
また、フットサルではゴレイロ(goleiro)と呼ばれます。
これはポルトガル語に由来するもので、ブラジルではサッカーのGKもゴレイロと呼ぶそうです。
DFという名称について
DFはDefender(ディフェンダー)の略です。
- DFの中でもサイド(=横)のポジションだとSB:サイドバックとなり、その中で攻撃的役割が増えて前目になるとWB:ウイングバックと呼ばれます。
- 中央はCB:センターバックです。
MFという名称について
MFはMidfielder(ミッドフィルダー)の略です。ハーフとも呼ばれます。
- MFの中でサイド(=横)のポジションだとSH:サイドハーフとなります。
- 中央だとCH:セントラルハーフ(又はCMF:セントラルミッドフィルダー)となり、中央が3人いた場合は左右の2人をIH:インサイドハーフと呼ぶこともあります。
- MFの内、守備的な役割がDH:ディフェンシブハーフ(又はDMF:ディフェンシブミッドフィルダー)
- MFの内、攻撃的な役割がOH:オフェンシブハーフ(又はOMF:オフェンシブミッドフィルダー)
- また、役割により「トップ下」「ボランチ」「アンカー」「ピボーテ」と呼び名が変わります。※後述
FWという名称について
FWはForward(フォワード)の略です。
FWは位置や役割によって大きく次の3つに分かれます。
- CF(センターフォワード):主に相手のペナルティエリア付近(中央)に位置取る
- ST(セカンドトップ):2トップ(FWが2枚)でチャンスメークをしつつゴールも狙う
- WG(ウイング):3トップの内、左右に広がりクロスやサイド突破の役割を担うのが
各ポジションの役割
続いて各ポジションの役割をご紹介します。
GKの役割
文字通りゴールを守る人で守護神とも呼ばれます。
近年ではセービング(ボールを防ぐ)技術に加え、後ろからのビルドアップ(組み立て)のための足元のスキルやフィード(前方に蹴り出すこと)の正確さも求められる様になりました。
更に積極的な飛び出しでDFの役割まで担う現代的なスタイルも確立されてきました。その代表的な選手がドイツ代表のノイアー選手です。
GKの魅力や役割について詳しく書いたのでこちらの記事もご覧ください:
DFの役割
基本的には相手の攻撃を止めチャンスに変える役割です。
(ちょっとマニアックな話ですが、現代の指導法だとこの「チャンスに変える」まで含める様になっています。「守ること」だけだと50点です)
今ではあまり見かけなくなりましたが、かつては次のような役割と名称がありました。
- ストッパー:ディフェンスラインの真ん中に位置し、相手を止めることに特化した役割
- スイーパー(掃除屋):ストッパーの選手が突破されたらボールをクリアしたり相手を止めたりする役割
イタリアが特に有名で、その守備の固さとスタイルからカテナチオ(閂:かんぬき)と表現されました。
続いて、DFでありながら時には最前列まで上がる様な役割をリベロと呼びます。
リベロ(libero)は「自由、自由な人」という意味のイタリア語です。
しかし、リベロの選手ではバレージ選手などを除けばイタリアよりドイツが有名です。
ベッケンバウアー選手、マテウス選手、ザマー選手などを輩出しています。
こちらも最近は戦術の変化によりあまり見かけなくなりましたが、2017年→2019年現在では長谷部誠選手がクラブチームで時々リベロを担っていますね。
これらのポジションはCB(センターバック)の中で役割が異なるものです。
一方、ディフェンスラインの横に位置する選手をSB(サイドバック)と言いますが、現代のサイドバックは長友佑都選手の様に上下動を繰り返しクロスを入れたりシュートを撃つ役割や、ドイツ代表のラーム選手の様にビルドアップやゲームを作る働きも求められるようになってきました。
1-3-5-2だとSBではなくWB(ウイングバック)と呼ばれることもあります。
DFの魅力や役割について詳しく書いたのでこちらの記事もご覧ください:
MFの役割
守備から攻撃への繋ぎ手・攻撃の担い手として、多くの役割が求められるポジションです。
例えば次のような役割と名前(呼び名)があります。
- トップ下:FWの後ろでチャンスメイクやゴールを狙う役割を担います。日本では花形的な役割のイメージが強いです。
- ボランチ:ポルトガル語で舵取り、車のハンドルを意味し、攻守のバランスを取る役割を担います。日本では主に守備的な意味で使われます。
- ピボーテ:回転軸を意味するスペイン語で、ボランチよりもボールを左右に散らしたりとゲームメーカー的な役割を担います。
- レジスタ:演出家を意味するイタリア語で、役割はピボーテとほぼ同じです。
- アンカー:錨(いかり)を意味する英語で、ラインのすぐ前に位置し、相手の攻撃の芽を摘み取る役割です。
各国の呼び名は「ミッドフィルダー」の項目でwikipediaにも載っています。
MFの魅力や役割について詳しく書いたのでこちらの記事もご覧ください:
FWの役割
ゴールを決める(点を獲る)ことが求められる役割です。アタッカーなどと呼ばれます。
ただし、先ほどご紹介したCF・ST・WGは同じFWでも次のように役割が異なる場合がああります。
- CF(センターフォワード):ストライカー(点取り屋)と呼ばれ、最も直接ゴールに関わる役割を要求されます。また、身長が高かったりフィジカルに強い場合は、STなどのゴールをお膳立てするためのポストプレーの役割も求められます。
- ST(セカンドトップ):2トップ(FWが2枚)の時に、チャンスメイクをしつつゴールも狙う役割を要求されます。
- WG(ウイング):サイドから内側にカットイン(=切り込む)してシュートを打ってゴールを狙う役割や、CFなどにクロスを入れる役割が求められます。
また、日本での認知度は高くないですがペナルティエリア付近でゴールに特化した役割のCFを「ポーチャー」と言います。
FWの魅力や役割について詳しく書いたのでこちらの記事もご覧ください:
サッカーのポジション・フォーメーション・役割について:まとめ
ポジション・フォーメーション・役割は、時代や国により様々な違いを見せます。
「これが絶対」というものが無いのがサッカーの1つの醍醐味でもあります。
観戦の際にはこういった事にも注目すると、よりサッカーを楽しめます。
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