テックボール(teqball)とは?サッカーと卓球の合体:ルール・内容の解説

こんにちは。今回はテックボール(teqball)についてご紹介します。

テックボールの台と選手のイラスト

テックボールは2014年にサッカーから派生した新しいスポーツであり、世界での人気が高まっています。

ここではテックボールの概要やルールを解説します。

  • 「テックボールってどんなスポーツ?」
  • 「ルールや必要な道具は?」

といった疑問にお答えします。

テックボールとは

テックボール(teqball)とは2014年にハンガリーの元サッカー選手であるガボール・ボルサニ氏と、科学者のヴィクトル・フスパー氏の2人によって発明された、サッカーと卓球を組み合わせたスポーツです。

リフティングやフェディングの技術で相手のコートにボールを返していきます。

専用の湾曲した台であるテックボールテーブル(海外ではteqball board:テックボールボードとも呼ばれます)を使って、卓球のようにシングルス(1vs1)やダブルス(2vs2)で試合を行います。ルールの詳細は後述の項目でご確認ください。

テックボールの動画(JFT公式チャンネルより引用)

次の動画はJFT公式チャンネルによる、第1回テックボールワールドカップのダイジェストや、日本から出場したWasse選手と菅原選手のインタビューが見れます。

こちらを見ればどういうスポーツなのかがおわかり頂けるかと思います。

また、 一般社団法人 日本テックボール協会のフェイスブックページ ではロナウジーニョ氏がテックボールをプレーしている動画なども見られます。

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テックボールの歴史

最初にご紹介したように、テックボールは2014年にハンガリーで生まれました。

その後、サッカーで言うところのFIFAにあたるFITEQ( Fédération Internationale de Teqball)がテックボールを発明したボルサニ氏を代表として2017年にスイスに設立され、国際的なスポーツになるよう以下の大会が開催されました。

  • 2015年5~6月:コカ・コーラ国立大学TEBBALLチャンピオンシップシリーズ
  • 2016年5~6月:コカ・コーラ国立大学TEBBALLチャンピオンシップシリーズ
  • 2017年5~6月:コカ・コーラ国立大学TEBBALLチャンピオンシップシリーズ
  • 2017年6月:TEQBALLワールドカップ2017
  • 2017年8月:HUNGARIAN TEQBALL BEACH CUP

ここまでハンガリーのブダペストで開催

  • 2017年9月:TEQBALLオールスターズカップ2017(ルクセンブルクで開催)
  • 2017年10月:Teqball All Stars Show SPORTELモナコ2017(モナコで開催)
  • 2018年10月:TEQBALLワールドカップ2018(フランスで開催)

わずか数年で自国開催のイベント以外も行っているのは凄いですね。

しかもワールドカップは1回目で20カ国、2回目は40カ国以上と確実に規模を増やしています。

また、テックボールを普及させるため、大使として様々な元サッカー選手が関わっています。

テックボールの大使(敬称略):

  • ヌーノ・ゴメス
  • シモン・サブローサ
  • クリスチャン・カランブー
  • ウィリアム・ギャラス
  • ロベール・ピレス
  • ルイス・フィーゴ
  • カルレス・プジョル

第1回テックボールワールドカップ:ハンガリー大会

2017年6月にテックボールの第1回ワールドカップがでハンガリーで開催され、20カ国の選手が集い、シングルスとダブルスで戦いが繰り広げられました。

シングルスはハンガリーのÁdám Blázsovics選手が優勝し、ダブルスでは1位:ルーマニア、2位:ハンガリー、3位:セルビアとなりました。

ちなみに日本からも動画の項目でご紹介したWasse(ワッセ)こと早稲 昭範(わせ あきのり)選手と、菅原 佳奈枝(すがわら かなえ)選手が日本代表として参加しています。Wasseさんはフリースタイルフットボーラーとしてギネス記録も持っているリフティングの実力者です。

第1回大会の成績はシングルスで両者ベスト16,2人が組んだダブルスでベスト8でした。

第2回大会では日本は41か国中、シングルベスト8(Wasse選手)でした。

テックボールを普及させるために、元フランス代表のウィリアム・ギャラス氏・元ナイジェリア代表のヌワンコ・カヌ氏などサッカーのレジェント達も参加しました。

日本でのテックボールの歴史

日本では2017年4月1日に日本テックボール協会JTF:JAPAN TEQBALL FEDERATION)が設立され、大会やイベントなどを開催し普及と振興を行っています。

また、オリンピックの正式種目になるよう尽力されています。

公式サイト(外部サイト):JTF│日本テックボール協会

テックボールの公式ルール

JFT公式サイトでは「テックボールのルールはシンプルです」として次のようなルールが書かれています。

  • 最大3回までのボールタッチで相手に返さなければいけない
    • 最大3回というのは、シングルスなら1人で3回、ダブルスなら2人の合計が3回という意味です
  • 同じ身体の部分で2回連続でタッチしてはいけない
    • 例:「右足のもも→右足のインサイド」はOKだけど、「右足のインサイド→右足のインサイド」はダメ
  • 手や腕でボールをコントロールしてはいけない
  • テックボードに手をついたり体が触れたりしてはいけない
  • 相手側のエリアに入ってはいけない
  • 台のエッジに当たるラッキーショットはNG

これら以外で、例えばサーブの時のルールなど、更に細かな部分に関してはJFTのサイトには書いてありません。ですので次の項目でご紹介します。

テックボールの細かなルール

公式ルールは英語で書かれているので、重要だと思われる部分を翻訳して以下の項目でご紹介します。

公式ルール(英語のPDF):THE OFFICIAL RULES AND REGULATIONS OF TEQBALL
2018

テックボールのコートについてのルール:図あり

テックボールのコート(シングルスの場合)についてイラストを作成したので説明と合わせてご覧ください。

テックボールのテーブルとエリア

コートに関するルールは以下の通りです:

  • テックボールコートの公式競技サイズは幅12メートル、長さ16メートル、高さ7メートルである
  • 最小のサイズは幅10メートル、長さ12メートル、高さ5メートルでなければならない

テックボールのプレイエリアについてのルール

プレイエリアに関するルールは以下の通りです:

  • テックボールテーブルの色は床やボールの色と異なっていなければならない
  • ラインは最小の幅10mmでフローリングの色と明確に違う色でなければならない
  • サーブをする線(サービングライン)はテーブルの端から1m離す。
公式の動画では2m離すと話していますが、同じく公式のルールでは1mと書いてあったり、動画でも明らかに2mは離れていなかったりするので、ルールの方を採用しました。

テックボールボードのサイズに関するルール

テックボールテーブル(Teqball board)のサイズは次の通りです:

  • 長さ:3,000 mm=3m
  • 幅:1,700 mm(ネット含む)=170cm(=1.7m)
  • 高さ:900 mm(ネットの上部)=90cm

ネットのサイズは次の通りです:

  • 幅:1,700 mm
  • 厚さ:20 mm
  • 高さ:140 mm(テーブルの表面から測定)

なお、ネットと表現されていますが公式動画で見る限りは板状のプラスチックです。

テックボールで使うボールのルール

競技で使うボールの仕様については次のルールがあります:

  • 球形
  • レザー製または他の適切な素材製
  • 円周が68 cm~70 cm以下
  • 重さは450g以下(試合開始時の重さが410g以上)

円周が68 cm~70 cm以下というのはサッカーボールの5号球と同じです。

試合に関するルール

ルールを全て書くと量が多すぎるのと、動画とルールで若干説明が食い違う部分もあるので、プレーしやすくなるものだけを選んでご紹介します。

  • エッジに当たったら基本はやり直し
  • エッジに当たったボールを続けてプレーするのはOK:もちろんそれで落とせば相手の得点
  • サーブの時は手・腕以外であれば、足・肩・頭で行って良い
  • サーブの時はラインを踏んではいけない
  • 2回連続でサーブを失敗すると、相手の得点
  • サーブ権は4ポイントごとに相手に移る
  • サーブは上方向でも下方向でも打っていいが、テーブルよりも10cm以上ボールを上にあげること
  • サーブの時にボールに回転をかけてはいけない
  • サーブの時に地面にバウンドさせてから蹴ってはいけない
  • サーブは1.5mの幅を超えて横から打ってはいけない
  • サーブしたボールが相手コートのサービスライン上、もしくはそれを超えた範囲(=相手選手に近い方)に落ちるように打たなければならない
  • 相手のコート側に入ってはいけない
  • ダブルスの場合は、1回味方のプレーヤーにパスしてから相手に返す(ダイレクトで返してはいけない)
  • ラリーの時にテーブルの横から架空のネット(仮想のネットの延長線)を超えて相手に打ち返してはいけない。ダブルスの時は味方に返す時のみOK(下記の図参照)

テックボール:ダブルスの図解

テックボールで使う用具・道具の購入は?

テックボールの道具・用具は以下になります。

  • テックボールボード):テクトジャパンさんが販売しており、固定式のTEQBALL ONE(テックボール ワン)が約90万円(本体価格80万5千円+組立費や輸送費、梱包材廃棄費、消費税など)、折りたたみ式のTEQBALL SMART(テックボール スマート)は約100万円ほどします。中々のお値段ですね。
  • ボール:サッカーボールの5号球を公式では推奨しています。

ちなみにテックボールボードではテックボールの他に、次のスポーツも楽しめるとしています。

  • TEQVOLLEY:卓球+バレーボール
  • TEQPONG:卓球と同じ
  • TEQTENNIS:卓球+テニス
  • QATCH:テーブルを使ったキャッチボール

なお、一部の業者さんでは台や関連用品を、2~3時間につき10数万円でレンタルしている所もあるようです。

テックボールのユニフォームについて

  • テックボールのユニフォームは、半袖もしくはノースリーブのシャツ、短パンかスカート、ソックスとシューズ、リストバンド・帽子・ヘッドバンドが認められています。
  • 審判が認めない限り、ジャージは認められません(上だけ、もしくは下だけも不可)。
  • シャツの主たる色はボールと違う色でなければいけません。
  • 公式戦ではチームで出場する場合、メンバーと同じユニフォームにしなければなりません。

2018年度版のルールブックではサッカーほど細かくは書かれていませんでした。

テックボールにおける反則

テックボールにもサッカーなどと同じようにイエローカードやレッドカードがあります。

具体的な反則の行動はルールには書かれていませんが、不適切な行動をとったと審判が判断した場合、イエローカードが提示されます。

更に良くない振る舞いを行った場合は次のように判定がくだされます。

  • イエローカードには該当しない:相手に1ポイント付与されます
  • イエローカードに該当する:レッドカードで試合終了。相手の勝利となります。

監督やコーチがレッドカードに該当する行動をとった場合はプレーエリアから退場になります。

審判は、これらの行動に対して更に罰則を与える権限を持ちます。

テックボールとは:まとめ・おさらい

ではこんかいのまとめとおさらいです。

  • テックボール(teqball)とはサッカーと卓球を組み合わせた新しいスポーツ
  • すでに2回ワールドカップが行われており日本代表も出場している
  • 公式戦のルールは細かいが、楽しむ分にはリフティングが3回できればプレーできる

元オランダ代表のロナルド・クーマン氏も「より技術のある選手になるための良いエクササイズ」と評価したテックボール。

公式の道具を揃えるのは難しくても、似たようなルールや環境で判断力や技術力を育てることはできそうですね。

関連カテゴリー:サッカーから派生したスポーツ

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