2019年10月26日(土)と27日(日)に、北海道の札幌厚別公園競技場にて第16回 全日本ろう者サッカー選手権大会が行われました。
以前に取材させて頂いたご縁もあり、応援も兼ねて観戦してきたので大会の概要や結果を写真と共にご紹介します。
全日本ろう者サッカー選手権大会とは
毎年10月から11月の間で行われる、ろう者サッカーの4ブロックが競う大会です。
ろう者サッカー日本代表の選考も兼ねているので選手個人にとっても重要な大会です。
4ブロックは次の通り:
- 北海道
- 東日本
- 西日本
- 北九州(今回は『九州・山口』というチームでした)
大会の会場は持ち回りで、今回久しぶりに北海道での開催となりました。
今回の大会の概要は次の通りです。
- 日時:2019年10月26日(土)~27日(日)
- 会場:札幌厚別公園競技場
- 主催:一般社団法人 日本ろう者サッカー協会
- 主管:北海道ろう者サッカー協会
- 後援:一般社団法人 日本障がい者サッカー連盟
- 協賛:大塚製薬株式会社
- 協力:
- 公益社団法人 北海道サッカー協会
- 公益社団法人 北海道ろうあ連盟
- 札幌スポーツ&メディカル専門学校
- プロショップ スポテック
- 26日の対戦カード
- 九州山口代表 vs 北海道代表:北海道代表が勝利
- 西日本代表 vs 東日本代表:西日本が勝利
- 27日の対戦カード
- 3位決定戦:九州山口代表 vs 東日本代表
- 決勝戦:西日本代表 vs 北海道代表
- 入場無料でした
一般的なサッカーとの違い
まず試合は11人制の45分ハーフで行われます。ここは一緒ですね。
一般的な11人制サッカーと違うのは次の点です。
- 耳が聞こえづらい選手のために主審も旗を持っている
- 両サイドのゴール裏にも旗を持った副審(補助審判)がいる
- 全体を見渡す審判補助の方がいた
写真を撮ったのでご覧ください。
ゴール裏の審判補助:
![デフサッカーの様子:ゴール裏の補助審判の](https://sakabon.net/wp-content/uploads/2019/10/DSC_1119-800x450-min.jpg)
手前が旗を持った補助審判で、後ろがボール配給係です
全体に合図を送る審判補助の方:
![デフサッカーの様子:全体を見渡す補助審判](https://sakabon.net/wp-content/uploads/2019/10/DSC_1123-800x450-min.jpg)
手前の方です。奥は副審
これ以外は一般的なサッカーと何も変わりません。トラップやパス回しも上手い選手が多かったのが印象的でした。
大会2日目の決勝戦を観戦して:試合の様子/感想/結果
決勝戦は、前日の26日で奇しくも共に5-1で勝利を収めた西日本代表 vs 北海道代表の試合となりました。
![第16回全日本ろう者サッカー選手権大会 決勝戦:西日本代表vs北海道代表 キックオフ前の写真](https://sakabon.net/wp-content/uploads/2019/10/DSC_1116-800x450-min.jpg)
決勝戦 キックオフ前の様子
青と白のユニフォームが西日本代表で、赤黒の縦縞ユニフォームが北海道代表です。
![第16回全日本ろう者サッカー選手権大会 決勝戦:試合風景](https://sakabon.net/wp-content/uploads/2019/10/DSC_1121-800x450-min.jpg)
試合風景
ボールサイドで細かくつないで相手DFラインの裏を突こうする北海道代表に対し、広い視野でサイドに展開し、空いたスペースから攻撃を仕掛ける西日本代表という試合展開でした。
北海道代表は相手陣内まではボールを運べるのですが、なかなかシュートまで持ち込めません。
対する西日本代表はしっかり防いだ後で素早く仕掛け、シュートを数多く打ちます。
しかし、ロングシュートが多いこともあって決定打とまではいきません。
前半はこのまま0-0で後半戦に突入します。
すると一瞬の隙を突いた北海道代表がペナルティエリア正面よりやや右で抜け出しシュート!
これが見事に入って待望の先制点が生まれます。
追いつきたい西日本代表はセットプレーなどからシュートを狙います。
しかし、ゴールを割ることができません。
終盤にも決定機を迎えますが、決死の北海道代表DFの守りで得点することができず、1点を守りきった北海道代表が見事に勝利!おめでとうございます!
なお、北海道代表は初優勝とのことです。おめでたいですね!
![第16回全日本ろう者サッカー選手権大会:試合終了後の挨拶](https://sakabon.net/wp-content/uploads/2019/10/DSC_1128-800x450-min.jpg)
試合終了後の挨拶
![第16回全日本ろう者サッカー選手権大会:試合結果を書いたボード](https://sakabon.net/wp-content/uploads/2019/10/DSC_1127-800x450-min.jpg)
試合結果を書いたボード
試合後は、
- 優勝チームへカップの贈呈
- 優勝チームの各選手への金メダル贈呈
- 準優勝チームへ銀メダルの贈呈
- 3位のチームへ銅メダルの贈呈
- 最優秀選手の発表
- 各チームから優秀選手の発表
- JFA(日本サッカー協会)の方からの挨拶
- 記念撮影
で締めくくられました。
優勝チームへカップの贈呈するシーン
![第16回全日本ろう者サッカー選手権大会:優勝カップ贈呈](https://sakabon.net/wp-content/uploads/2019/10/the-16th-all-japan-deaf-football-championship-ceremony-2.jpg)
※顔にモザイク処理をしています
モザイクで分かりづらいですが、代表してキャプテンがカップを受け取っています。
優勝チームの各選手への金メダル贈呈するシーン
![第16回全日本ろう者サッカー選手権大会:優勝メダル贈呈](https://sakabon.net/wp-content/uploads/2019/10/the-16th-all-japan-deaf-football-championship-ceremony-1-min.jpg)
※顔にモザイク処理をしています
選手1人1人にメダルが渡されます。
参加者とスタッフで記念撮影
![第16回全日本ろう者サッカー選手権大会:集合写真](https://sakabon.net/wp-content/uploads/2019/10/the-16th-all-japan-deaf-football-championship-ceremony-photo-mosaic-min.jpg)
※顔にモザイク処理をしています
たくさんの方が関わってこの大会が行われたことが伝わってきますね。
垂れ幕に書かれた『サッカーなら、どんな障害も越えられる』を体現しているようです。
補足:おめでとうを手話でやると?
調べた所、次の画像のようにやるのが手話での『おめでとう』の意味になるとのとこです。
- お腹のあたりで両手をすぼめます(指を軽くつまんで握ります)
- 花火のようにパッと開きながら上に両手をあげます
まとめ
改めて選手および関わったスタッフ他、すべてのみなさんお疲れさまでした。
素晴らしい大会でした。
ただ1つ、少し残念なのは観客が70名ほどだったことです。
2019年はラグビーワールドカップが盛り上がっていますが、こうした大会ももっと周知・認知されると日本のサッカー文化も育つのではないでしょうか。
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