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コーチングとティーチングの違いとは:育成の放任をしていないか

      2017/10/10

こんにちは。いつもお読み頂きありがとうございます。

今回は【コーチングとティーチングの違い】について、選手の育成と絡めてご紹介します。

指導する監督と指導を受ける選手

コーチングとティーチングの違いについて

コーチングとティーチングってどっちも「指導する」って意味じゃないの?

と思う方もいるかもしれません。

まずはそれぞれの基本的な意味を確認しましょう。


ティーチング:teaching について

ティーチングとは「教える」という意味です。

学校の先生という意味である「ティーチャー」はここからきています。

答えや正解がわからない相手にそれを教える・与えるという教え方です。

 

コーチング:coaching について

一方のコーチングとは「導く」「引き出す」という意味です。

この「coach」の由来は以下になります。

コーチ」という語は、ハンガリーのコチ(Kocs)という町で農閑期の収入源として作られた四輪馬車・コチ(kocsi)に由来する

引用元:wikipedia

つまり、指導する相手が自発的に答えにたどり着けるようきっかけやヒントを与えるという教え方です。

 

サッカーにおけるコーチングとティーチングの具体例

例えば「A選手が試合でドリブルを仕掛けるも相手のゴール手前で時間をかけてしまい相手DFに奪われた」としましょう。

この時、

「すぐシュートを撃て!」
「横に味方がいただろ」

と監督やコーチが言うのはティーチングです。しかも起きた現象に対して後から修正できないことを言っているので選手に対する声掛けとしての質も良くはありません。

 

一方、これをコーチングに置き換えると、まずは

「今、ゴールと相手の位置を確認してた?」
「味方の動きは視界に入っていたか?」

と、選手の状態がどうだったか確認し、

周りの状況がわかっていた ⇒「じゃあ〇〇できたよね」
周りの状況がわかっていなかった ⇒「じゃあまずどうしなきゃいけなかった?」

という様に、状況に応じて選手に考えさせ、その上で声掛けをします。

これにより、選手が「自分がしなければならなかったこと」や「周囲の状況判断を怠っていたこと」に気付くことができる、と言うように指導を発展させることができます。

 

コーチングの罠:「考えさせる」は「放任」に繋がる

上の部分だけ見るとティーチングよりコーチングの方が優れて見えます。

しかし、どちらにも一長一短あります。

この「考えさせる指導法」が流行ってから、なんでもかんでも考えさせる指導者が増えました。

考えさせること自体は良いのですが、コーチングを効果的なものにするにはその後のフィードバックが必要になります。

しかし、「考えさせて終わっている」、つまり放任している指導者が意外と多いのです。

これはサッカーに限った話ではありません。

 

ある小学校での理科の授業でのことです。

必要な器具を用意だけして、何の説明もせず「自由に考えて実験してください」という授業がありました。あるグループはとりあえず器具を触ったり調べるものの実際に実験ができるまでには至らず、またあるグループは飽きてしまい遊んでしまいました。

しかもその後で「実はこうやって使う」などの説明も特になかったそうです。

これで果たして指導者(学校のケースなら教育者)と言えるでしょうか?

 

コーチングが役立つには【2つ】のあることが必要

では効果的なコーチングを行うには何が必要でしょうか?

それには「2つ」あります。

1.コーチングには『相手に一定の理解度がある』ことが前提

何の知識も経験もなくいきなり アレやれ・コレやれ・考えろ と言われても無茶な話です。

サッカー未経験者に「スペースを意識して」「ダイアゴナルの動きをしろ」などと言っても混乱するだけです。

こういう場合はまずティーチングです。しっかり基礎知識を教えることから始めましょう。

 

2.コーチングには『フィードバック』があってこそ成り立つ

先ほども少し触れましたが、導いた・引き出した相手の反応や答えに対して、それが正しいのかそれとも改善が必要なのか、あるいは合っているけど他にも答えや選択肢があったのか、などをきちんとフィードバックしてあげる必要があります。

フィードバックをすることで相手は自分が良かったのか悪かったのか判断することができ、成長に繋がります。

 

コーチングとティーチングの違い:まとめと補足

コーチング、ティーチング、どちらを行う場合にも指導者側(コーチ・監督)に明確なビジョンがあることが前提です。

もし明確な目標がなく、場当たり的な指導や掛け声をされても選手は混乱するだけです。

 

日本ほど指導書が多い国も珍しいと聞いたことがあります。

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その割にはなかなか強豪国になったとは言い難い状況です。

それは、練習メニューの形は知っていても「それをやることで選手がどう育つか」「どういう力を身に付けさせたいか」などのゴール(=目標)のレベルが指導者によって差があるのも一因ではないかと私は思っています。

 

ティーチングとコーチングを使い分け、より選手の力を引き出し伸ばせる指導者が一人でも多く増えることを願っています。


記事の著者紹介
札幌在住、元・育成年代対象のコーチを12年間していました
より詳しくは☞プロフィール
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