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今回は2018年4月26日に行われた、サッカー日本代表 前監督 ハリルホジッチ氏による記者会見を全文文字起こししたのでご紹介します。
会見および質問タイムが合計で1時間半以上あり、全文が長いので数記事に分割しています。
こちらは3記事目になりますので、最初からお読みになりたい方は下記よりご覧ください。
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ハリルホジッチの記者会見:2回の海外遠征について
「さあ今度は?」と言うと、第3ステージに入るわけでして、それがワールドカップです。
私が就任したのは何と言ってもワールドカップがあるからこそで、海外遠征を2回行いました。
その際には世界最高峰のチームとの試合をセットしたわけです。
まずは去年(2017年)11月の海外遠征。そして今年(2018年)3月の海外遠征。
私の頭の中ではワールドカップに向けての調整だと思っていたわけです 。
例えば「中盤とフォワードに何か良い解決策はないかな」と探していました。
ワールドカップが要求してくるもの、つまりワールドカップでしっかりパフォーマンスが出せるものを求めていたわけです。
今まで以上に「選手が幅広い力を持ってプレイできるように」と考えていました。
ですから(遠征)試合の結果のことはあまり頭になかったんです。
ハリルホジッチの記者会見:ベルギー遠征 対ブラジル戦を振り返って
対ブラジル戦。ブラジルと言ったら世界最高のチームではないですか。それに対して良い結果・すごい結果を出せるとは考えていなかった。
あくまでもそうした試合によって経験を積ませることができたらと考えていました。
ですからブラジル戦、ベルギー戦、マリ戦、そしてウクライナ戦で良い結果は出せなかったかもしれない。でもそこからたくさんの教訓というものを引き出すことができました。
例えばブラジル戦でも後半に2回ゴールのシーンがあったわけです。
ここ2年間の色々な試合を見てください。ブラジルに対して2点ゴールできるチームがいますか?
(※ 2017年11月10日 実際は 日本代表 1-3 ブラジル代表 で1点のみ)
特に最初の20分はひどい状態だったんですよ。
ハーフタイムにロッカールームでハイレベルなチームに対してどうすればいいかという話をしたわけです。
試合後は選手たちを大いに褒めました。
ハリルホジッチの記者会見:ベルギー遠征 対ベルギー戦を振り返って
ベルギー戦はほぼ完璧とも言える試合でした。
負けたとは言ってもドローにでも、そして勝ってさえいられた試合だったと思うんです。
(※ 2017年11月15日 日本代表 0-1 ベルギー代表)
私はこの試合においてうちの代表チームがしっかりと組織力があって自分たちのプレイでしっかりと支配できていたという所で満足していたわけです。
ハリルホジッチの記者会見:2017年11月のベルギー遠征 総評
サッカーという意味でこのベルギーへの遠征はそんなには良くなかったかもしれない。
でもそこで色々なデータ、情報を引き出すことができました。
本当だったらいつもレギュラーの7~8人があの時は代表チームに入っていませんでした。そんな状況でもあったんです。
でも「前みたいにパフォーマンスが良くない選手もいるなあ」と私は見てとりました。
私の頭の中ではそうなったらどうすべきかなと考えていました。
11月の合宿の時には18人、2回目の合宿の時には22人+ GK 2人 を呼んで選手を試していたわけです。
ご覧いただいたように最後に中島(翔哉選手)を選んだのを覚えていらっしゃいますよね。
みんなにしてみれば心配だったかもしれませんが とても良い選手で…
※ここで会見の司会者からハリルホジッチ氏に「時間の関係でまとめてもらうように」と促しが入りました
ハリルホジッチの主張:問題があるとは思っていなかった
つまりは(遠征はあくまで)ワールドカップのための調整であって、私自身は何を求めているのかちゃんと分かっていました。
私自身も満足していたし、選手のデータもゲットしていました。
そして次に来るのが一番重要な「23人の選手を選抜する」ということになるわけで、そこでこういった問題というものが始まっていたわけです。
何か色々な情報が私の耳にも入ってはいたものの、 私はあくまで自分の仕事に専念していました。
ただ、その時に「やるべき試合、プレイになっていなかった」という人もいました。
ですからこうした合宿をして、1ヶ月調整をかけて何でこんなにも問題が出てこなくてはいけないのだろうか。
田嶋 幸三会長も、西野 朗さんも「問題がある」とは言わなかった
そして何で会長にしても西野さんにしても「ハリル、問題があるぞ」と1度として言ってくれなかったのか。 本当に1度として。
何かちょっとあっても誰も何も言わなかった。
西野さんの方は何か私に言おうとしていました。
マリ戦の後、私はパリに行ってフランスvsコロンビア戦を観ました。
その後ベルギーのブルージュに戻ったのが、午前4時から5時というものすごい遅い時間になってからでした。
そしてそこで話が来たわけです。「1人の選手があまり良い状態じゃない」。
「いや、私はそのことはわかっています。それは後で解決できますから」と言ったんです。
残念ながらそこで色んなことが起こって、会長がたくさんの選手とかたくさんのコーチと連絡を取って、
(しかしながら)私と共にいたジャッキーコーチとかシェリルとかGKコーチとか(に対して)、何が起こったのかということについて説明はなかったのです。
私にとってもびっくりすることであり、一緒にいるコーチにとってもびっくりすることでした。
ハリルホジッチ氏に解任が告げられた時の様子
4月7日のことでした。会長の方からパリにお呼び出しがかかって、私は何のことかわからずホテルの方へと出向きました。
ハリルホジッチ「こんにちは」
田嶋 幸三会長「こんにちは」
と挨拶をして、その後に腰かけて「ハリルさんこれでお別れすることになりました」と(解任の)お話があったんです。
解任理由は「全般的なコミュニケーション不足」?
最初は「え? ジョークだろ?」と私は思ったんです。
そして1分経って会長に「何故かおっしゃって頂けますか?」と伺いました。
そうしたら「つまりはコミュニケーション不足」 (と言われました)。
そこで私は怒りが沸き立ってきたわけです。
「どの選手と?」
「いや全般的に」とお答えで、その部屋を5分経って出ました。
私は動転して、一体何が起こったかわからなくて、私と一緒にやってくれているコーチに電話をしたんです。
1人はイングランドに居ましたし、1人はドイツに居てうちの選手の視察をしていたんです。
そして言ったんです。「家に帰りなよ。 終わったからな」って。
皆さん、コーチたちの反応がどうだったかはご想像ください。
この様に会長からその話をされた、そういう形でありとあらゆる3年間やってきたことに対しても、監督をしている人間に対してもリスペクトがないのではないか。それはコーチ仲間に対しても同じ思いです。
韓国戦の後に解任を考えたという話も聞きました。
それだったら私だって少しは理解できます。ワールドカップよりも日韓戦の方がいかに重要かというのは私もわかっているからです。
だから私自身から皆さんにこうした全てをお話ししたいと思ったわけでありまして、やはり監督というのは難しい思いをすることもあります。
一回そういう経験をしているんです。
24回試合に負けて解任ということがありました。その時は会長が決めたのではなくて大統領が決めたと聞きました。
(※ おそらく通訳しきれなかったのでしょう。実際はコートジボワール代表監督として23試合負け無しの戦績だったものの、2010年のアフリカネーションズカップで24試合目にして初黒星を喫し、ベスト8で敗退しました。この結果が政治と絡んで2月27日に解任されました)
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