こんにちは。今回はMTMというサッカーの練習方法を解説します。
例えば、サッカー日本代表戦での試合後のインタビューで「課題は見つかった」「次に活かしたい」といった発言をよく耳にしますね。
育成年代のコーチや監督といった指導者もきっと自分のチームの選手たちに「この試合での経験を活かして次に進もう、次に繋ごう」と話すことがあると思います。
この試合での経験を活かす練習方法がMTMです。
特に指導経験が浅い指導者の方の参考になればと思います。
MTMとは
MTMとはMatch Training Match:マッチ・トレーニング・マッチの略で、試合・練習・試合を1つにまとめとして考える練習方法です。
MTMには短期スパンと中期~長期スパンという2つのパターンがあります。
短期スパンのMTM
- 自分たちのチーム内で試合を行います。
- 課題を見つけたら試合をいったん止めて練習を行います。
- 課題が解決したら試合を再開します。
つまり、1回の練習の中で「試合 → 練習 → 試合」を行う方法です。
中期~長期スパンのMTM
- よそのチームと試合を行います。
- そこで見つかった課題を解消するための練習(試合形式の練習も含める)を行います。
- その練習の中で出た課題を解消するための練習を行います。
- またどこか別のチームと試合を行い、前回見つかった課題が解決されたかの確認や新たな課題の発見を行います。
- 課題を解消するための練習を行います。
つまり、「試合 → 練習 → 試合」を一定の期間で考えて行う方法です。
MTMを行う時のポイント・注意点
MTMはただ 試合 → 練習 → 試合 と順番に行うだけではなく、次のようなことを意識して行うことが大切です。
- 最初の試合前にテーマを決める
- 練習のテーマは絞る
- 時間配分を的確にする
- 練習前の説明はシンプルに短くする
では順番に解説します。
最初の試合前にテーマを決める
MTMを行う場合は、最初の試合前にテーマを決めると良いでしょう。
何故なら、「とりあえず試合をさせて課題を見つけてから練習方法を決めよう」と安易に考えると、課題ばかり見つかって効果的な練習ができない場合があるからです。
特にサッカーの試合では収穫や成果よりも課題の方が目立つものです。
練習のテーマは絞る
その日の練習テーマはできるだけ絞るのが良いです。
なぜなら、あれもこれもと1度の練習で詰め込んでも解消されづらいからです。
具体的には多くても3つまでのテーマに絞り、それ以外の課題が出てもその日はあえて追及をせず、メモに残しておいて他の日の練習で改めて行うのが良いでしょう。
また、数だけではなく内容も絞りましょう。
例えば、失点が多いからといって「ディフェンス(守備)」という広すぎるテーマで練習をしても、チームとしてもまた選手自身もどう改善されたかが把握しづらいからです。
MTMの時間配分を的確にする
MTMでは、1回目の試合・練習・2回目の試合、それぞれの時間配分を的確に行う必要があります。
例えば、自分のチーム内で1度の練習日にMTMを行うとします。
この場合、試合でテーマに決めた課題がなかなか出ないとその後の練習に繋げづらいですが、1回目の試合時間を延ばすと練習・2回目の試合時間が奪われます。
反対に課題がたくさん出たからといって練習に時間を割きすぎると最後の試合時間が短くなり、改善されたかどうかがわかりづらくなります。
こうした点に注意して、予めテーマや状況にあった時間配分を考えておきましょう。
練習前の説明はシンプルに短くする
フリーズコーチングの記事でご紹介したのですが、説明に時間をかけたり選手が理解している事を延々と説明したりすると選手のモチベーションは落ちてしまいます。
トレーニングに入る前の確認やトレーニング内容の説明はできるだけシンプルなものを心掛けましょう。
MTMをより効果的に行うために気をつけること
MTMでサッカーのレベルをより一層上げるためには次の2つの点に気をつけると良いです。
- 選手全員がテーマを理解した上で練習に取り組んでいるか
- 練習内容が試合での課題・テーマと関連したものになっているか
例えば、選手同士の連携が悪いから失点が多いチームがあるとします。
この場合の課題は各選手への戦術や動き方を浸透させることですが、ディフェンスを向上させたいからといって1vs1の練習ばかりしても根本の解決にはならないですよね。
指導者の数だけ練習方法はありますが、大切なのはチームや選手の現状に合っているかどうかです。
まとめ
それでは今回のまとめとおさらいです。
- MTMとはMatch Training Match(マッチ・トレーニング・マッチ)の略
- 試合・練習・試合を1つにまとめとして考える練習方法
- MTMには1日の中で行う短期的なMTMと一定期間で考える中~長期間のMTMがある
- MTMでは課題に合った練習・時間配分・1度に成果を求めすぎないなどのpointに気をつける
ぜひ効果的かつ選手のモチベーションが上がるようにドリル形式の練習と試合形式の練習のバランスを考えながら指導に取り組んでみてください。
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