ここでは指導者に知ってほしい、意識してほしい事柄として「プレイヤーズファースト」について解説します。
主役は監督やコーチと言った大人ではなく選手=子供達です。
その主役が成長するために「グッドスタンダード」を築き、Guided Discoveryに配慮する必要があります。
今回は、良い指導者としてのスタンスについてご紹介します。
プレイヤーズファースト=主役は選手(子供)!
JFA※1では、育成年代のサッカー環境に関わる大人※2が力を合わせて子供達にとってのベストは何かという観点で判断し、解決に向けて努力していくことを推奨しています。
- ※1:JFA=日本サッカー協会
- ※2:監督やコーチなどの指導者・審判・保護者なども含めたサポーター、あるいは試合の形式
選手(子供達)は大人のロボットではない!
少年サッカーでの試合中に、監督が1から全て指示を出して選手たちがまるでロボットの様に動いているチームを時々見ます。
しかもその指示は「抜かれるな!」「そっちじゃなくて逆にパス出せよ!」など、基本アクションが起こった後のことについて言っている為、当然瞬間ごとの展開に指示は追いつかず、「何やってるんだ!」と怒鳴る監督…
「あなたがさせたことをしたんでしょ」と心の中でツッコみを入れる。そんな事もしばしばあります。
選手はサッカーゲームのキャラでもなければ、指導者はそのゲームプレイヤーでもありません。
グッドスタンダード
もともとコーチ(coach)とは昔あった四輪大型馬車のことで、そこから転じて「運ぶ人⇒導く人」という意味です。
元日本代表監督のイビチャ・オシムさんの言葉に以下の様なものがあります。
今日の結果ではなく、明日子どもがどんなプレーをするか楽しみにしながら指導すること
子供はコーチを見ています。コーチは子供を一人の選手としてリスペクトし、『コーチの様になりたい』と思われるような、子供にとっての良い見本になる必要があります。
Guided Discovery
プレイヤー向け「心」の項目で「自立・考える事の重要さ」について述べましたが、指導者は選手の発見を導く様な関わり方をする必要があります。これをJFAではGuided Discovery(発見を導く、引き出す)としています。
Guided Discoveryを簡単に言うと、
答えを与えるのではなく「自分で解決法を見出す力を身につけさせる」
そのために、問いかけ方やオーガナイズ(意図のある練習の設定)、関わり方に工夫をし、選手が「気づく」シーンを増やしてあげることが大切です。
指導者も選手と同様に成長していく
「学ぶことをやめたら、教えることをやめなければならない」
ロジェ・ルメール(元フランス代表監督)
指導者資格を持っている方(そうでなくてもサッカーの指導に関わっている方)なら必ず1度は聞いた事がある名言ですね。
是非、「サッカーを心から楽しむ」グッドプレイヤーを育ててください。
P.S.2013年6月以降、「差別表現ではない」として文科省が公用文中の「子ども」の表記を「子供」に統一しているので、JFAの資料では「子ども」となっているものも「子供」と表記しています。
☞次:【ドリル】と【グローバルメソッド】①
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