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今回は2018年4月26日に行われた、サッカー日本代表 前監督 ハリルホジッチ氏による記者会見を全文文字起こししたのでご紹介します。
会見および質問タイムが合計で1時間半以上あり、全文が長いので数記事に分割しています。
こちらは 5記事目(ラスト) になりますので、最初からお読みになりたい方は下記よりご覧ください。
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会見に集まった記者などによる質問とそれに対してハリルホジッチ氏による回答の続きとなります。
「コミュニケーション不足」を理由に解任された経験は他にあるか?
朝日新聞の記者より
ハリルホジッチ氏の回答
いえ、初めてです。聞いたことがありません。全てを覚えてはいませんが、「コミュニケーション」というのはあまりにも広い意味すぎて、「具体的に誰と?」「どういうこと?」 というのを逆に教えてもらいたいと思います。
ハリルホジッチ「ワールドカップへの準備はできていた」と主張
滞在5~6日目でしょうか。多くの人が(私の所に)訪れて話をしていきました。
よく事情のわからないことが私の知らない所で行われている気がします。
ワールドカップ23人を選ぶというのは日本だけでなくどこの国であってもたくさんの軋轢(あつれき)が起こる問題だと思います。
監督及び選手にとってワールドカップ出場とはどういう意味を持つものでしょうか。
その選手・監督にとって素晴らしいプロモーション、名誉なことではないでしょうか。
(仮に)全ての試合に負けたとしてもワールドカップに出たというのは非常にポジティブなイメージではないでしょうか。
本当に傷ついているのは、ワールドカップに出られる、そのための全ての準備が整い始めていたところ(に解任されましたということ)なんですね。
「ワールドカップに出るぞ」
これから千葉・オーストリア・ ロシアでも遠征が控えています。
全ての準備をこれから事務局側と整えようとしていたんです。
細かいディテールまで詳細を詰めていくところだったんです。どれだけ大変な仕事か。
10回くらいは日本対コロンビア戦のビデオを観たと思います。
「コミュニケーション不足」とは誰とのこと?
言い忘れたことがありました。2月なんです。
海外組のハセベ(長谷部誠 選手)・エイジ(川島永嗣 選手)・ヨシダ(吉田麻也 選手)・ナガトモ(長友佑都 選手)に会っていたんです。
そういったベテラン組が最近どうしているのかという実地調査をしてきた時に、特にコミュニケーションの問題は起こっておらず、選手たちは非常にモチベーションが高かったんですね。
それが何故か1か月後にはコミュニケーションが薄らいだ(と会長から言われた)。
誰とのコミュニケーションのことを話しているのかわかりません。
全ての準備が整ったところで次の監督に受け渡す形になりましたが、その監督にとっても非常に大きなチャレンジだと思います。
これから4週間、共に働けるってワクワクしていた所だったんです。
どこまで行けるか本当にわかっていたんですけども、会長が来て「ではさようなら」と。
突然の出来事ですし、事前に何も知らされていなかった。
何でなんでしょう。逆に私が知りたいです。教えてください皆さん。
他の歴代監督にも聞きましたけどわからない。
どうぞ真実を私だけでなくサポーターの皆さんや多くの皆さんに(教えてください)
おまけにこの時期ですよ。
この時期にこういった結果というのはこれで良いのでしょうか。
準備はしたと言ってもワールドカップです。
今の私がそんな心の内だというのをわかってもらえるでしょうか。
私が町で出会う1ファン、サポーターがどんな声をかけてくれるかをご覧になったらわかってもらえるのではないでしょうか。
この段階で(日本サッカー)協会は大きなリスクを背負ってしまったのではないかと思います。
ハリルホジッチ「今回の件は監督に対するリスペクトを欠いているのではないか」
フランスでは「え? 日本でそんな事が起こるの!?」と言われました。
日本はリスペクト、お互いに尊重し合う国だと聞いていましたし、そう思っていました。
いかがでしょうか? 皆様に問いかけたいと思います。
代表監督に対するこういったことはいかがなものでしょうか?
「ウクライナに負けたんでしょ」とか、そういったリザルト(結果)をバンとぶつけてくれたら私は理解できたと思うんです。
会長にベルギーに来てもらおうと思ったんですね。(しかし)「別件が入っている」と言われてしまったんです。
「ワールドカップまで一直線、頑張らなくっちゃ、色々準備しなくちゃいけないから是非来てください」と申し上げたんですけど。
ハリルホジッチ「技術委員会の存在すら知らされていなかった」
会長の記者会見にも出ていましたし、皆様からの質問もないので私からこれを申しあげなければなりませんが、
会長の記者会見で 「テクニカルコミティ(技術委員会)がたくさんの修復をしようと試みた。コミュニケーションなど」(という話が出たが)、
テクニカルコミティの存在すら私は知りませんでしたし、どなたも私の所に見えてお話しをしてくれたことはないので私の方では存じ上げなかった。
私のオフィスに来た時に挨拶や握手はしたかもしれませんが。
ハリルホジッチ氏と西野監督とのやりとりについて
(技術委員会には)西野さんもいらっしゃいました。
西野さんは後から加わったわけですけど、テクニカルディレクター(技術委員長)の役務をこなされる初めての方でした。
確かに彼とのコミュニケーションは少なかったかもしれません。挨拶はもちろんしましたが。
全てのトレーニング、 会議、常に一緒にいました。
「選手はこのリストで行こうか」という提案をした時や、ローカル(現地)の選手を起用したので彼の意見も求めました。 あまり多くを語らない人でした。
試合中ですが、ゴールキーパーの第2コーチと選手たちの観察をしてくれとお願いしました。
ハーフタイム前に彼らは降りてきて色々と情報をくれるんですね。
そうするとハーフタイムの時にロッカールームで色々と話ができます。
全てのトレーニングにも彼は参加していました。
いつも「良かった」と彼は言ってくれたんです。
一度、西野さんに「フランスでの技術委員長は、どういった役務、仕事をするのですか?」と聞かれました。
私の知らないところでどういったやり取りがあったか不明です。あえて聞いたりはしていないんです。
他のメディカルスタッフが話をしたこともありますし、会長から私が望めば会うということもしてくださったようです。
そして技術委員長がベルギーで「ちょっと選手が1人、不平不満を言っているんじゃないか」と言ったのを聞きました。一度だけ。
非常に友好的な関係を築けていたんじゃないかと私は思います。「問題はどこにあったのか」皆さんからも訊いて頂きたいと思います。
喋りすぎたかな。
最後に記者の方々、本当に心より御礼申し上げます。
私に入ってくる情報量は非常に少ないです。批判もあると聞いています。
それでも日本の記者の方々は親切だったと思います。
この時期というのは非常に特殊でしょうか。何が起こっているのか本当にわかっていないです。
記事を書く方はどうぞ客観的に書いてください。
私のことをどう書いても構いませんが、いま日本代表は窮地に陥っていると思うので、これから頑張っていくでしょう。ワールドカップというこれ以上ない大会です。危険を孕んだ素晴らしい大会です。
お願いです、どうか彼らに準備の時間を挙げてください。代表がどうか良い試合をできるよう願っています。
そして最後になりますが、今まで記者会見の最後には拍手を頂いていました。
その拍手に心より感謝致します。
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