サッカー選手と食事管理:小学生からプロまで

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サッカー選手と食事管理

今回は「サッカー選手と食事管理」についてプロサッカー選手の食事や日本サッカー協会が推奨する食事メニューなどをご紹介します。

  • ジュニアサッカーの保護者だけど食事メニューは何に気をつければいいのか知りたい
  • 海外のサッカー選手はどんな食事をしているの?

といった疑問や悩みにお答えします。

海外のサッカー選手の食事について

海外のサッカー選手の食事というと、栄養士のポゼル氏が有名です。

「ジュリアーノ・ポゼル」氏は食事のメニューを変えることでリオネル・メッシ選手の体調を改善したことで有名です。

「メッシは食事を加工食品からシリアル・野菜・魚・オリーブオイルなど、ビタミン豊富な内容に置き換えた。その結果、嘔吐癖は改善された」

ジュリアーノ・ポゼル(栄養士)

他にもバッジョ(イタリア)・ビアホフ(ドイツ)・アグエロ(アルゼンチン)・ピサロ(ペルー)など、名だたる代表・元代表のサッカー選手の食事管理から肉体改造を施しています。

プロ選手は特にコンディションを保つのが難しいものです。

練習・試合・移動により蓄積する疲労、怪我の度合い、病気、外部からのプレッシャーによるストレス……こうした弊害にあっても、ベストパフォーマンスを出し続けるために体調管理が欠かせません。その一環として「食生活の改善」「献立」に注目が置かれています。

ドイツの食事管理

ヨーロッパサッカーの中でもドイツは数年前から食事も練習の一部として「乳製品や小麦を出すのをやめる」など様々な取り組みをしていることで注目されています。

ドイツ ブンデスリーガで長年プレーする長谷部誠選手は以前インタビューで以下の発言をしています。

「クラブでの食事から確かに乳製品は消えました。また、ドイツでプレーしていて、オメガ3という言葉もよく聞くようになりました」

実は日本代表でもザッケローニ監督になってから、オメガ3のカプセルが配られるようになったんですよ。それを飲み続けている選手とそうでない選手には、血液検査の数値に明らかに差が出ていた。やはり食事は大事だと思います」

(Number Web 2016/02/23より引用)

ブラジルW杯本番では暑さ対策など別の面で色々と上手くいかなかった印象のザックジャパンではありますが、見えない所では色々と選手のことを考えた対策もされていた様ですね。

また、現在(2017年4月)は怪我で戦列を離れていますが、「日本人ブンデスリーガ最多出場記録保持者」である長谷部選手がこれだけ長く出場し続けられるのは、普段から食事に気を遣っているためでもあるでしょう。

長友佑都選手が食事で気をつけている3つのポイント

2019年8月23日放送の金スマにて長友選手の『ファットアダプト食事法』という食事方法が特集されました。

これはアスリートのための食事方法で、次の3つを意識して行います。

  1. 良質な油を摂る
  2. タンパク質をたくさん摂る
  3. 糖質を控え管理・調整する

極端な糖質制限は試合中のガス欠を起こすなどエネルギー不足でパフォーマンスの低下を引き起こします。

そのため、制限ではなく血糖値を上げない程度に糖質量を管理し、炭水化物を摂取する量を調整していきます。

また、体を作ったり疲労を素早く回復したりするためにタンパク質や脂質も積極的に摂取します。

これがファットアダプト食事法の特徴です。

こうした食事の改善が長く日本代表でレギュラーを務め、またW杯予選 モンゴル戦(2019年10月10日)での約10年越しのゴールにもつながっているのでしょう。

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JFA(日本サッカー協会)が推奨する、選手に必要な食事のメニュー

JFAでは、サッカー選手に必要なバランスの良い食事の基本は『栄養フルコース型』であるとして、メニューの一例を紹介しています。

  1. 主食:お米のご飯
  2. おかず:目玉焼き乗せハンバーグとつけあわせ野菜、豆腐とわかめの味噌汁
  3. 野菜:野菜の煮物
  4. 果物:みかん
  5. 乳製品:牛乳

人間の体は様々な栄養素が関わり合うことで成り立っており、「Aを食べたからBは食べなくて良い」というシンプルな作りにはなっていません。

ですから、言うのは簡単で継続は難しいものではありますが、やはり様々なものをバランス良く食べることが必要です。

Jリーグのプロサッカー選手でも食事は完ぺきではない

Jリーグのクラブでも専用のシェフや調理師がおらず、選手個人に任せられているチームがあります。そのため、ついついコンビニやスーパーの出来合いで済ませてしまう選手もいるそうです。こういった部分も強豪と呼ばれる国やリーグとの差の一因かもしれませんね。

食事管理や食事制限で気をつけること

食事管理については様々なものをバランス良くとることが大切と書きましたが、たとえ体の成長や栄養のためであっても無理やり食べさせるのは体に良くない場合があります。

牛乳・乳製品は日本人の体に合わないケースが多い!?

その1つが「牛乳・乳製品」です。これには以下の様に賛否両論あります。

  • 「日本人(東洋人)は乳糖不耐症が多いからお腹を下しやすい」
  • 「実際はそんなことはない」

もっともらしい説がどちらにもあり結論は出ていません。

ただ、下痢や体調不良を起こしているなら間違いなくその人の体には合っていないので、摂取を止めさせ別の食べ物で栄養を取らせるべきです。例えばカルシウムであれば小魚などからも摂れます。

食物アレルギーに注意!

今時は小学生の遠征などでも、昼食が家庭のお弁当でない場合はアレルギーチェックをするのが当たり前となってきていますが、時々「アレルギーは甘え」と無理やり食べさせ病院に運ばれるニュースを見かけます。

食物アレルギーには「そばアレルギー」など命に係わるものもあります。

また、つい最近も「生後6か月の赤ん坊がハチミツを与えられたことが原因で、乳児ボツリヌス症になり死亡した」という事件がありました。

無知が原因で選手(子供)の命が脅かされることもあるので大人は責任を持って対応しなければなりません。

食事制限も行き過ぎると選手の弊害になる!?

かつてレアルマドリードの下部組織に所属していたナチョ・マルティン(スペイン代表DFのナチョ・フェルナンデスとは別人)は次のような告白をしています。

ビスケットやハードトレーニング用のプロテインなど15才の男子には不十分な食事内容だった(だから近くのレストランで体に良くないとわかっていてもチョコやバーベキューソースのソーセージなどを毎晩食べた)。

また、長谷部選手も上記のインタビュー時に「そこまで細かく気を取られたくない。食事は楽しむものでストレスにならないことも大切」と付け加えています。

栄養だけを考えた食事制限も行き過ぎると選手の弊害になる場合もあるということですね。

試合前の食事の大事さを感じた実体験

私が学生時代にサッカー部の練習・試合に行く前のことをお話しします。

ある日、時間がなかったのでカップラーメンだけ食べてすぐ練習に行きました。

試合の途中で具合は悪くなるわ、すぐにへばるわで散々な目に遭いました。

それを踏まえて次は試合の数時間前にしっかりした食事をしてからプレーしたところ、前回の様なことは全く起こらず最後まで調子良くプレーできました。

食べた内容や時間でこれだけの差があるのかと、何年も経った今でも覚えています。

ジュニアサッカーの食事について

小学生のサッカー選手は1日に数試合行うこともあります。そういった場合の食事は、プロテインのメーカーとして有名なSAVAS(ザバス)さんがHPで 1日に2試合ある場合の食事 (外部サイト:新しくタブが開きます)を例として紹介しています。

試合後に出来るだけ早く栄養を補給するのが体に良いのは、ザバスさんのHPだけでなくスポーツに関する様々な資料で言及されています。

試合と試合の間や練習が1日に2回ある場合などはお腹が一杯にならないよう、ちいさめのおにぎりやパンなど軽食で栄養補給するのが大切です。これを補う(おぎなう)食事と書いて補食(ほしょく)と言います。

サッカー選手と食事管理について:まとめ

食事の管理はサッカー選手にとって、

  • 怪我に強い体を作る
  • プレッシャーの負けず持っている力を100%発揮する

といった様に体や心のコンディションも整える重要な要素です。

偏食の子が増えているとも言われている現代ですが、できるだけ色々な栄養素を取り入れる様に心がけるのがまずは大切です。

様々な面から栄養価が高いものを毎回の食事で摂り続けることは難しいかもしれませんが、少しでも食事に気を配ってもらえれば幸いです。

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