今回は怪我(ケガ)に対する応急処置の基本である「PRICE」および関連するRICEについて解説します。
元々はRICE(ライス)と呼ばれていた処置方法です。サッカーに怪我は付きものですが、怪我した直後の対応でその後の回復にも関わります。
RICEとは
まずRICE(ライス)とは、怪我に対する応急処置を行う時に大切な行動を表す言葉の頭文字を取ったものです。
『RICEの法則』や『RICE処置』という名前で覚えている人もいるでしょう。
具体的には次の単語になります。
- Rest:安静
- Ice:冷却
- Compression:圧迫
- Elevation:拳上
サッカーの練習や試合でひどい怪我をした場合は専門医に診せる必要がありますが、怪我をした直後の処置でその後の治り具合にも差が出ます。
そこでスポーツの世界では、負傷してしまった時の応急処置の頭文字を取ったRICEが周知されるようになりました。
サッカー指導者資格を取得する時にも習うのでご存知の方もいるかと思います。
PRICEとは
PRICEとはこのRICEにもう1つの要素「Protection:固定」を加えたものです。
難しいものではないので、スポーツに携わる方は応急処置の基本として覚えておきましょう。
では、それぞれ順番に解説します。
Protection:固定
骨折の場合はギブスなどすぐ想像できるかと思いますが、例えば突き指などでもテーピングや添え木などで患部を動かさない様にします。
患部を固定することで負荷を減らしたり、二次傷害の防止をしたりできます。
Rest:安静
怪我をしたら動きを止め、患部及びその周辺部位を安静にします。
また、怪我をした本人も落ち着かせてあげましょう。
こうすることで痛みが増すのを防ぎ、自然治癒力を高めます。
Ice:冷却
冷たい水や氷で患部を冷やして血管を収縮させます。
そうすることで次のような効果が期待できます。
- 腫れの予防:血管の収縮により腫れの原因である体液の流出を防げます。
- 低酸素障害の予防:アイシングにより代謝速度が低下し細胞が必要な酸素量を減らせます。これにより患部や幹部周辺の細胞が酸欠になるのを抑えられます。
- 痛みの減少:痛覚の神経は冷たさを感じる神経に囲まれています。患部を冷やしている間はこの痛みの神経伝達を止めます。これを「ゲートコントロール」と言います。
※冷やし過ぎると修復に必要な反応も遅れる為、注意が必要です。
Compression:圧迫
テーピングや包帯などで患部を圧迫して内出血、及びそこから腫れが酷くなるのを防ぎます。
骨折以外では冷却よりも優先した方が良いとも言われています。
できる限り継続して行いましょう。
Elevation:拳上(きょじょう)
患部を心臓より高くすることで流れ込む血液や体液の量を減らします。
こうすることで痛みの軽減や余計な出血を防ぎます。
患部自体はもちろん、体を横にして心臓より高くなりやすい様にすると良いです。
怪我をした時に気をつけること
PRICEはあくまで応急処置です。
処置が済んだ後は病院に行くのはもちろんのこと、以下の点にも注意しましょう。
- 入浴:体温があたたまることで血管が拡張し血流が増すと痛みが増えることがあります。
- 飲酒(成人の場合):アルコールの分解にエネルギーが使われ決画の快復が遅れたり、脱水症状を起こすので控えましょう。
- シップ:医師の判断によります。
まとめ
それでは今回のまとめです。
- PRICEとは次の単語の頭文字をつなげたもの
- Protection:固定
- Rest:安静
- Ice:冷却
- Compression:圧迫
- Elevation:拳上
- 怪我をした時は入浴・飲酒(・シップ)はしない
サッカーをしていると怪我をすることは度々あります。
適切な処置をなるべく早く行うことが大切です。
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