サッカーにおけるキャプテンの役割・適正について

サッカーのキャプテン(主将)の写真

今回は『サッカーにおけるキャプテン』についてです。

サッカーを知らない人にお伝えしておくと、試合時に腕章(キャプテンマーク)を付けているのがチームのキャプテンですが、その役割や適性などの関連する事柄についてご紹介します。

競技規則におけるキャプテンについて

キャプテンについての項目がサッカーの競技規則(ルールブック)には「第3条 競技者」の欄にあります。そこには以下の様に書かれています。

チームのキャプテンは、なんら特別な地位や特権を与えられているものではないが、そのチームの行動についてある程度の責任を有している。

つまり、特別試合中に何かをしなければならない・何かができるというわけではないのです。


試合前におけるキャプテンの役割について

では「キャプテンは何もしないのか」と言うと、そういう訳ではありません。

プロのリーグにおいては試合前に「キックオフ」と「チームのエンド(陣地)」を決めるためのコイントスを行ったり、相手のキャプテンとチームのペナント(小さい旗の様なもの)を交換したりします。

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U20W杯におけるキャプテンの役割について

2017年5月20日より開催のサッカーU-20(20歳以下)W杯韓国大会より、『審判への異議申し立ては主将(キャプテン)に限られる』ことの徹底が決まりました。

※もう1つ「GKが手でボールを保持できるのは6秒」という規則の厳格化も決まりました

国際大会なので言葉の問題などもありますし、キャプテンの資質が問われる場面が出てきそうですね。

審判へのキャプテンの主張が通った例

思い出されるのは当時日本代表のキャプテンだった宮本恒靖選手が2004年アジアカップ ヨルダン戦でPK戦のことです。

芝の状態の悪さから先行だった日本の選手1番手の中村俊輔選手と、2番手の三都主アレサンドロ選手が足を取られて2本失敗します。対するヨルダンは1本成功で2本目を蹴る場面でした。

ここで主将である宮本選手は反対側のゴールに変更するよう主審に要求しこれが認められ、結果として勝利につながりました。宮本選手が英語を話せたこと、機転を利かせたことが幸いしました。

チームにおけるキャプテンの役割

キャプテンの役割は多岐に渡ります。例えば以下の様なことが考えられます。

試合中に味方選手をまとめあげる

試合中、キャプテンは場面ごとに味方を鼓舞(こぶ)し、落ち着かせ、「フィールド内での監督」と呼ばれる様にチームが勝利するように尽力します。

2016年サッカー欧州選手権(EURO)決勝のフランス戦で負傷交代したポルトガル代表のキャプテンだったクリスティアーノ・ロナウド選手が治療後にテクニカルエリアでひたすら味方選手に声をかけ続けたことは記憶に新しいところです。

 チームの精神的支柱として

試合中だけではなくチームメイトを手助けするのもキャプテンの務めです。
ユベントスのキャプテンであるブッフォン選手の例を挙げます。
ユベントスにモラタ選手(現レアルマドリード)が加入し、トレーニングで故障した時のことです。インタビューでこの様な話をしています。
Afterwards he took me aside, alone, and said that if I wanted to cry, do it at home. He said the people who wished me ill would be happy to see that and the people who wished me well would be saddened by it.
(診察の後で)ブッフォンが近くに来て、2人きりの場で言いました。「もし泣きたいなら家で泣け」と。「涙を見せればお前の不幸を願う人を喜ばせることになるし、お前の幸せを願う人を悲しませることになるぞ」と。

監督と他の選手との仲介役として

監督が決める方針をチームに浸透させるのもキャプテンの務めです。

プロに限らず、サッカーが上手いと天狗になってしまう選手は少なくありません。そういった選手は監督や他の選手の話を聞かず、しばしばスタンドプレーや身勝手な振る舞いをしてしまいます。選手と監督の間を上手く取り持つ度量・懐の深さがキャプテンには必要なのではないでしょうか。

チームにおけるキャプテンの適正

キャプテンとなるべき選手はどの様な人が適正が必要でしょうか。私の考えを述べていきます。

仲間のことを考えられる

上記の役割で紹介した様なチームメイトのために尽くせることがキャプテンには求められます。

サッカー選手としての技術がある

内外でキャプテンにふさわしいと認められるためには、どのポジションであろうともサッカー選手としてのスキル・テクニックがある程度(チームで上位)必要です。

チームへの忠誠心がある

必ずしも品行方正・成績優秀である必要はないかもしれませんが、そのチームの顔である自覚を持って、普段の言動に配慮することが求められます。特にプロ選手の場合はクラブへの忠誠心やプロジェクトへの理解を深めることが必要です。

自分が指導者だった時のキャプテンにまつわる話

小学生チームの話で恐縮ですが、私が指導者だった時に次のキャプテンを決める時期がやってきました。例年であれば6年生の中から選ぶのですが、その時のチームには正直適任だと思える選手がいませんでした。

そこで普段からチームのことを考えて行動し率先して練習を盛り上げてくれていたR君(当時5年生)を抜擢しました。これには「人任せだった6年生の子」「自分はどうせ下手だと諦めている6年生」「サッカーはできるけど練習を休みがちだった6年生」などに発奮してもらいたいという思いも込めてのことでしたが、結果として非常に上手くいきました。

チーム事情はそれぞれですが、単にサッカーが上手い子や年長者を選ぶだけが方法ではないという一例です。

サッカーにおけるキャプテンの役割・適正について:まとめ

サッカーは複数の人が集まって行うスポーツです。ここには選手・監督や指導者・サポーター・マネージャーなども含まれます。

それぞれがそれぞれの思いを持ってチームのことを考えます。

その中でより広く皆の考えをまとめつつ、チームが一丸となって戦える様にできるのがキャプテンに求められる役割であり適正だと私は思います。

プロ選手には先に紹介したブッフォン選手(イタリア)をはじめ、日本代表の長谷部誠選手など良いお手本がいますので、試合以外でも注目してみるのも面白いですよ。


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