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サッカーにおけるマリーシアの意味とスペイン人の声

   

こんにちは。いつもお読み頂きありがとうございます。

今回は【マリーシア(ずる賢さ)】について、意味や事例と合わせてマドリッド在住のサッカー仲間に聞いたことをご紹介します。

マリーシアのイメージ:ガッツポーズする男

「実は今のスペインの若者の多くはサッカーが嫌い!?」「その理由がマリーシアと関係がある」など、日本よりもサッカーが盛んなスペインにいるからこそわかる話が色々と聞けました。


 

マリーシア(malicia)について

まず、サッカーにおける『マリーシア』とは主に「ずる賢い」という意味で使われる言葉です。

ただし使われる国によって若干意味合いに違いがあり、「ずるいプレー」を指す場合もあれば、「利口さ」「駆け引き上手」など賢さを強調する意味で使われる場合もあります。

海外と日本のサッカーを比べた時に例としてよく挙げられるのがこのマリーシアです。

スペインのエイバルで活躍する乾選手もインタビューで「日本人には頭の良い選手が少ない」と言っていましたが、恐らくここの差、いわゆる「サッカー脳」を感じての発言だったのではないでしょうか。

 

「ずるい」イメージでのマリーシアの例

━ 審判に気づかれない所で相手にファウル・反則をする

━ シミュレーション:ダイブ(倒れ込む)など実際はされていないのにファウルされた様に演技し審判を欺くこと

━ 相手の選手を挑発してイライラさせることでファウルやミスを誘う

 

「賢い」イメージでのマリーシアの例

━ FKなどをもらった時、相手の守備が整う前に素早くリスタートを行う

━ ポゼッション(パス回し)で相手を走らせ疲れさせることで体力や気力を消耗させる

 

他にも

「試合終盤にコーナー付近でボールをキープして時間稼ぎをする」

「PKでボールをほんの少しだけ前に蹴り、走り込んできた味方に蹴らせる」(アヤックス時代のクライフ選手や、バルセロナでメッシ選手がこのプレーを行いました)

などがありますね。

 

日本ではブラジル人からマリーシアという言葉が広まった様な印象がありますが、意外にもブラジルにおけるマリーシアの意味は「したたかさ」などで、あまりずるい意味では使われません。ルールの裏をかく様な、どちらかと言うと汚いプレーはマランダージ(Malandragem)と呼ばれます。

 

スペインにおけるマリーシア

スペイン語ではアリーシアに近い言葉としてピジェリア(詐欺、ペテン) ピカルディア(悪意、いたずら、ずる賢さ)などがあります。

 

先日、スペインにいる友人に「あるスペイン人監督が日本にはピジェリア・ピカルディアが足りない」って言っていたけどどう思う?と尋ねました。するとこんな返答をくれました。

まず日本人に足りないというズル賢さは、多分そのまま「ルールぎりぎりで効果的なズルをする事」だよ。

例えばFKの壁をやってる時、相手が蹴る寸前に隣の味方から「1歩前に出ろ」とはいつも言われる。

あとは審判へのクレーム。試合中はみんな事細かに理論っぽく文句言って、スポーツ+討論会みたいな状況だよ(笑)

海外の強豪国はルールを守っても上手い選手がさらにズルをしてくる。日本は実力まあまあな選手がルール守ってズルしない。この差なんじゃないかな。

 

マリーシアのせいでサッカーが嫌いな若者がスペインには多い!?

一方でこんなことも教えてくれました。

俺が日本語を教えているスペインの若者達の80%は、サッカーに興味がないどころか嫌いって言うんだよね。

日本語を勉強していない普通の子達でも、サッカーが好きでない子は結構いるよ。

その理由は「試合を観ながら選手や審判を罵る暴力性」「いつも痛そうにうずくまる選手の弱々しさや狡猾さ」。 みんなそれが嫌だって言うんだよ。

他のスポーツはもっとスポーツマンらしく振る舞っているって。

サッカー好きにとってはもちろん絶対的なスポーツだけど、アンチも多いのは意外だったよ。

「自分が利益を得るためにはずるいこともする」という行為が比較的少なく、誠実で忍耐力がある人が多いので日本人は敬意を持たれているとも話していました。

 

まとめ

友人は「サッカーに強い国の監督が言うから全て正しいと考えるのはどうかと思う」「自分達のアイデンティティーである精神性まで捨てて、何でもかんでも強豪国のやり方に染まるのは良くないと思う」と話していました。私も同感です。

育成年代においては、サッカーに教育的な側面を持たせることも多い日本では尚更マリーシア(ずるい方の意味での)を身につけることは難しいかもしれませんし、身につけなくても勝てるように練習していく方が合っている気もします(時々、相手のユニフォームを手で引っ張っているプレーに注意しないどころか当たり前としている監督も見かけますが…)。

ただし、そういうことをやってくる世界を相手に勝利を目指すのであれば、より高いレベルの技術やフィジカル、戦術、それらを若い内から身につけられる環境などが必要でしょう。


記事の著者紹介
札幌在住、元・育成年代対象のコーチを12年間していました
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