2019/2020年競技規則の改正:ルールが色々変わるので解説

こんにちは。今回は2019~2020年シーズンの競技規則(=サッカーのルール)で、大きな変更がいくつもあるのでご紹介します。

今回の変更には、プロサッカーにのみ関係する変更もあれば、小学生のサッカーにも影響するものもあるので、審判員の方はもとより選手・指導者・ファン(保護者からサポーターまで)の全員が確認しておきたいものですね。

ただし、全ての変更点だと細かすぎるので、私達に身近なルールの変更部分をメインにご紹介します。それでも多いので目次から知りたい項目をお選びください。

もっと詳しく競技規則を確認したい方は、目次より「公式の競技規則を知りたい方はJFAのサイトへ」をご覧ください。

2019/2020年競技規則:今までとの変更点

補足を入れながら解説しますね。

チーム役員はRRAに入れば警告、VORに入れば退場

RRAとはレフェリーレビューエリアのことです。主審がプレーをレビューするための映像機器が設置されている場所で、ここにチーム役員が入ると警告(=イエローカード)になります。

VORとはビデオオペレーションルームのことです。近年テレビ中継で映ることもおおくなったVAR(ビデオアシスタントレフェリー)が業務をする部屋で、ここにチーム役員が入ると退場(=レッドカード)になります。

ちなみに中にはVAR(ビデオアシスタントレフェリー)の他に、AVAR(アシスタントビデオアシスタントレフェリー)、RO(リプレーオペレーター)がおり、その他には許可を受けた人だけが入室できます。

チーム役員というのは監督やコーチのことです。

チーム役員に対して警告や退場できる

上記と関連する変更点です。

今回の改正でチーム役員に対してもイエローカードやレッドカードが提示されます。もし役員が複数いて、誰が不正を働いたかわからない場合は立場が一番上の役員が罰せられます。

今まではチーム役員は選手ではないので、不正行為をしても主審は退場ではなく退席を命じていました。

交代する選手がピッチから出る位置が変更になる

今までは交代エリアから交代していましたが、今後は主審が指示した時以外は境界線(コートのライン)の最も近くの位置からピッチ(=フィールド)を出なければいけません

不必要に時間がかかるのを防ぐ効果がありますね。

シャツの袖と同じ色のアンダーシャツもOKになる

今までは、アンダーシャツはユニフォームの主たる色と同じでなければいけないというルールでしたが、袖(=そで)と同じ色や柄でも良くなりました。

サッカーのユニフォームとアンダーシャツのイラスト

袖の色の他、柄や模様も同じならOKとのことです

コイントスに勝ってもボール(キックオフ)を選べる

今まではトスに勝った場合は前半に攻めるゴールを決める(エンドを選ぶ)ルールでしたが、キックオフを選んでもOKになりました。

余談ですが、トスでは審判はコインを使うことが決まっていて、公式戦でジャンケンなどで決めると罰せられます。イングランドの女子サッカーでコインを忘れた審判が3週間の職務停止になりました。

ドロップボールの方法が変更になる

両チームの選手の間に落としてボールが地面に当たったら蹴るという今までの方法から、次の方法に変わります。

  • ペナルティエリア内の場合:ゴールキーパーにドロップする
  • 最後にボールに触っていたチームの選手1名にドロップする
  • ドロップされる位置から他の選手は4m(4.5ヤード)以上離れなければならない

審判にボールが当たって状況が変わったらドロップボールになる

主審や他の審判員にボールが当たり、「ゴールに入った」「攻守が入れ替わった」「新たな攻撃が始まった」場合はドロップボールで再開になります。

審判は石と同じでそのままプレーするというのは昔の話になりますね。

GKがキックミス後に手を使った場合の判定が変更

GK(ゴールキーパー)が味方選手からスローインやパスされたボールを蹴ったりプレーに戻そうとして失敗した時、その後にボールを手で扱っても良くなります

ポイントはあくまで、「蹴ろうとした=手や腕でボールを扱う意図はなかった」ということなので、最初からバックパスやスローインを手や腕で扱えば間接FKとなるのは変わりません。

また、1度スローして手から離れたボールを再び他の選手より先に手や腕で扱った場合も相手の間接FKになるのは今まで通りです。

ペナルティーエリアからの守備側のフリーキックやゴールキックについての判定が変更になる

守備側チームの選手がペナルティーエリアからフリーキックを蹴る時や、ゴールキックを行う時、今まではボールがペナルティーエリアからボールが出るまでインプレーにならなかったですが、改正後は蹴られて明らかにボールが動いたらインプレーになります。

小学校低学年の試合で審判をしていた時は、「キック力が弱くてボールがペナルティーエリアから出ない(ので選手が触ってやり直し)」ということがよくあり、困ったこともありますが改善されそうですね。

ただし、相手の選手に対して次の2つのルールは変わりません。

  1. ゴールキックの時はペナルティーエリアの外にいる
  2. フリーキックの時はペナルティーエリアの外かつボールから9.15m離れる

フリーキックの壁(3人以上の壁)に攻撃側の選手は入れない

攻撃側チームのフリーキックの時に、守備側チームがゴールを守るために壁を作ることがよくありますね。

この時、3人以上で壁を作った場合は、攻撃側の選手は壁から1m以上離れなければならなくなりました

もし1m以内に近づいたら守備側チームの間接FKになります。

壁が2人だった時はどうなるかは書いていませんでした。

ハンドの判断基準が明確化される

サッカーでは、ボールが手に当たっただけではハンドにならない場合がありますが、その基準がわかりづらかったために今回の改正で明確化されました。

一部、日本語でも言い回しがわかりづらかったり、IFABの原文(英語)を見てもよくわからなかったりした部分があったので、そこは保留して意訳しています。

ハンドとして反則になる:

  • 手や腕で意図的にボールに触れる
  • 意図的ではなく偶発的(偶然に)であっても手や腕で相手ゴールに直接得点する
  • 通常は不自然と考えられる、手や腕を肩より上にあげた状態でボールに触れる
  • 水平であっても(=肩より高くなくても)、手や腕を伸ばして(=体から離して)不当に体の幅を大きくする状態でボールに触れる

ハンドとして反則にならない:

  • 上記のような不自然・不当ではない状態の時(体の近くに手や腕がある)に、避けられないような状態でボールが手や腕に当たる
  • スライディングや倒れた時に、体を支えるため地面と体の間にある手や腕にボールが当たる

スライディングでハンドになる時とならない時の図解

PKの時、GKは片足をゴールライン上か上方に置く

ゴールキーパーがゴールラインの前後に立つことはできず、ライン上に立つのは変わりません。

ではこの改正で何が変わるかと言うと、2つの改善点があります。

  • 審判がより判定をしやすくなった
  • ゴールキーパーがより反応しやすくなった

片足ゴールライン上もしくは飛んでいる時であればゴールラインの上方にあれば良いということで、審判にとっては見極めがしやすくなります。

また、キッカーによっては様々なフェイントでタイミングをずらそうとしますが、これに対する予測としてワンステップで動けるようになります。

2019/2020年競技規則の適用開始日

国際的には2019年の6月1日から有効とされているので、各国のリーグは新シーズンから適用されますね。

6/5(水)にキリンチャレンジカップ 日本vsトリニダートトバコ戦がありましたが、こちらは国際マッチということで、改正されたルールが適用されていました。

一方、まだシーズン途中のJリーグでは、J1では8月2日(金)の第21節、J2では8月4日(日)の第26節から適用されるとのことです。

JFAではなく地域や都道府県の協会が主催する大会では主催者が適用日を決めることになっていますが、遅くとも2020年4月1日(水)には適用するようにとJFAから通達されています。

J3やなでしこリーグなど、その他のリーグでの適用日が知りたい方は下記の項目をご覧ください。

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公式の競技規則を知りたい方はJFAのサイトへ

「もっと詳しくルールを知りたい」「公式の文章で読みたい」という方はJFAのサイトでご確認ください。

リンクして良いのかが明記されていないため、探し方を文章で解説します。

JFA(公益財団法人日本サッカー協会)のサイトに行った後、次の手順で競技規則を見ることができます。

パソコンからJFAのサイトを見る場合

  • サイトの上部にあるメニューから「関わる」を選んでクリック
  • 関わる」から「審判」の欄にある画像をクリック
  • コンテンツ」というタイトルの下にある「競技規則」をクリック

スマホからJFAのサイトを見る場合

  • 左側にある「≡(三本線のメニューボタン)」をタップして「関わる」を選んでタップ
  • 審判トップ」の欄にある「競技規則」をタップ

まとめ

ルールが変更となる時は色々と混乱も起こると思います。

特にプロの試合や全国大会など大きな試合ではない、地域や小規模の試合ほど、新旧どちらのルールを採用するのか事前の確認や打ち合わせが大切ですね。

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