【ACL】浦和vs済州での暴挙・暴力事件について

レッドカードを出す審判の画像 by http://kage-design.com

はじめに:一部のコメンテーターなどが済州側を擁護したり、浦和側に非があると言っていますが私には理解できません。そういった考えをお持ちの方には不快になるかもしれません。あらかじめご了承ください。

2017年5月31日に行われた、ACL(AFCチャンピオンズリーグ)決勝トーナメント浦和レッズ(日本) vs 済州ユナイテッド(韓国) で起こった暴力事件についてです。

※動画の引用もしていますが、外部のものなので削除されている場合があります。あらかじめご了承ください。

【ACL】浦和 vs 済州の暴力事件 状況解説

この件を初めて知った方のために要約します。

今回の事件はACL(AFCチャンピオンズリーグ)ベスト16の2戦目で起きました。

まず24日に済州総合競技場で行われた第1戦目では2-0で済州(チェジュ)が勝利。31日に埼玉スタジアムで2戦目が行われ今度は浦和が2-0とします。トータル2-2のため延長戦となり、後半9分に劇的決勝点を挙げた浦和レッズが2試合 合計3-2とし逆転の末ベスト8に進出しました。

Jリーグ公式YouTubeチャンネルより:ACL「浦和vs済州」のハイライト

この2戦目で大きく2つのことが起こりました。

1.済州の控え選手が阿部選手にエルボーを食らわせる

延長後半アディショナルタイムに浦和がコーナー付近でボールキープした際、これに済州の選手が激高して乱闘が起きます(済州ボールになったにもかかわらず)。この時、済州のサブメンバーの1人ペク・ドンギュ選手がピッチに乱入、ベンチから約80mを猛ダッシュしてピッチを横断した挙句に浦和の阿部勇樹選手に飛び掛かり、エルボー(ひじ打ち)を食らわせました。当然レッドカードで一発退場です。

その映像がこちら

2.試合終了後に済州の選手・スタッフが入り乱れて浦和の選手、スタッフに襲いかかる

タイムアップのホイッスルが鳴ると、敗れた済州ユナイテッドの選手・スタッフがピッチに入り乱れ、浦和のスタッフに飛び蹴りを食らわせたり、槙野選手を追い掛け回したりとひどい状況になりました。

その映像がこちら


これに対して浦和は受けた乱暴、侮辱的な行為に対して再発を防止する意味も込めてAFC(アジアサッカー連盟)に意見書を提出しました。




済州ユナイテッドもAFC(アジアサッカー連盟)に意見書を提出

一方、済州側は今回の件で5つのポイントがあり、その4つで浦和側にスポーツマンシップを欠く行為があったと主張しAFCに意見書を提出しました。

済州が主張する5つの状況

  1. 浦和が3点目を決めた直後、浦和FWズラタンが済州MFクォン・スンヒョンに向かって指で3-0と示して嘲笑した
  2. それに怒った控え選手のDFペク・ドンギュがピッチに乱入して、MF阿部勇樹に対して暴行を働いた
  3. 浦和MF武藤雄樹が済州のベンチに向けて拳を突き上げ挑発した。その行為は浦和のスタッフによって収められた
  4. 試合後には浦和スタッフも済州側に向かって水を撒く行為をして、ボトルを地面に叩きつけた
  5. 済州を刺激するようなセレモニーを制止させようと済州のDFキム・ウォニル・DFクォン・ハンジンが浦和DF槙野智章に近づいたが、槙野が逃げたために酷い姿が演出された

様々な角度からの動画が投稿されているため、これらのほとんどが事実と異なるのがわかります。例えば上の動画で見てわかりますが、槙野選手は自分のチームのベンチに喜びに行っただけの時点で既に韓国側の選手が襲いかかろうとして味方に止められているのがわかりますよね。

また、「判定が常に浦和よりだった」なども主張していますが、ペナルティエリアでのシミュレーションやPK見逃し、明らかに蹴っているシーンでノーファールなど、決して浦和だけが得をしていたわけではありません。

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【ACL】浦和 vs 済州に対する各国の報道

この事件はヨーロッパ各国でも報道されています。

イタリア(伊)の海外サッカー専門サイト:「トゥットカルチョ・エステーロ」

「狂気の光景」

「試合終了直後、済州の選手のみならずスタッフまでホームチーム(浦和)のフェスタをぶち壊し始めた。その後 数分間に渡ってピッチの入口でひどい狩りの光景になった」

「3-0になった後、試合はナーバスなものになった。ベンチからフィールドに飛び出して阿部の顔面を強打したペク・ドンギュが退場処分となった。状況は収束したかに見えたが、試合終了のホイッスル後、浦和が喜ぶ間に韓国人たちはまたしても襲撃に出た。本当の人狩りだ」

「ホームチームの喜びが刺激になったとしても、このような暴力が理解されるものではない。 我々はアジアサッカー連盟(AFC)が正しい対処をすることを願おう。あまりにもアンチ・スポーツ的な韓国チームの振る舞いだ。それが、敗戦した後だとしてもだ」

フランス(仏)の衛星放送:「ビーイン・スポーツ・フランス」

「韓国人選手たちのあからさまな状況は特筆する必要がある。すでに醜悪な雰囲気だった済州は2枚のレッドカードを受けた。言い訳の余地もない無様なものだった」

ドイツ(独)メディア:「SPOX」

「アジアサッカーの宣伝にならない。アジアサッカーの看板に泥を塗る行為」

イギリス(英)サッカー専門誌:「フォー・フォー・トゥー」

「ビジターのチームは残り時間で正気を失った」

浦和が挑発したと一部で言われていることについて

この件に対し、一部の報道では「やっつけてやったという態度はダメ」「ガッツポーズはよくない」など浦和側を非難していますが、これに対しても私は疑問を抱きます。

確かに勝者が敗者を嘲笑する行為であればその指摘はもっともですが、その場面は試合やいくつか切り取ったものを見た限り見受けられません。

剣道や卓球ではガッツポーズが禁止されている

「礼に始まり礼に終わる」「相手がいてこそ自分が磨かれる」という自己鍛錬の精神がある剣道ではガッツポーズをすると「一本が取り消し」となる規則があります。また、卓球では相手の目を見てのガッツポーズはマナー違反としてイエローカードが出ることもあります。

 

サッカーでも「唾を吐く」「相手に対し侮辱的な言動を繰り返し行う」などは退場とされています。しかしガッツポーズがこれら挑発や侮辱行為に当たるとは私は思えません。もちろん相手の選手やサポーター・ベンチの目の前で行ったのなら話は別ですが。

サッカーは得点が入りづらいスポーツで1点の重みが他のスポーツとは違います。それだけに得点を決めた時は本当に嬉しく、無意識に喜びを体で表現することは私自身も経験があります。

済州もガッツポーズをしていた

そもそも第1戦でゴールを決めた済州の選手も監督も腕を上げてガッツポーズをしているので日本だけやるなというのはおかしな話です。

ACL 5/24 浦和 vs 済州のゴールシーン

【ACL】浦和 vs 済州の暴力事件について:まとめ

FIFAでは試合の入場時にエスコートキッズ(フェアプレーチルドレン)を起用しています。これは選手達が子供達の目の前で恥ずべき行為をしない様に、フェアプレーを象徴してのものです(加えて児童虐待の撲滅キャンペーンとしての意味もあります)。

仮に浦和の行為のどれかが挑発に見えたとしても、それに対して暴力をふるう・報復行為を行うのがはたしてフェアプレーに結びつくでしょうか。自分たちの行為を子供達に胸を張れるでしょうか。

今回の件で済州側が認めた非は阿部選手へのエルボーだけ、しかも言い訳をつけて逆に浦和に謝罪を要求しています。

現時点でAFCやFIFAの見解は出ていませんが、「人として」「サッカー選手として」という視点で正しい判断が下されることを願います。




 

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