今回は【11月末の試合でセリエAの選手たちの顔に赤い模様を付けていた件】について解説します。
クリスティアーノ・ロナウド選手のユベントス移籍でセリエAを見る人も増えたかと思います。
そんな中で「あれ?選手の顔に赤い模様がある?」「もしかして怪我?」と疑問に持った方もいるでしょう。
簡単に言えば社会貢献活動の一環ですが、どういう意味があるのかや、どういう活動内容なのかをご紹介します。
選手の顔にある赤い印は女性への暴力に対するキャンペーン
結論を先に言うと、セリエAの選手たちの顔に付いた赤いマークは「女性に対する暴力を無くそう」というキャンペーンの一環です。
この赤いマークは「レッドカード」を意味し、Lega Seria A(セリエA)・選手協会・非政府組織のWeworld Onlusによる活動のシンボルとして使われています。
ディバラ(ユベントス)やハムシク(ナポリ)といった有名な選手を始め、審判、監督など大勢の賛同者が顔にペイントしていました。
Weworld Onlusとは
Weworld Onlus(ウィーワールド・オンラス)とはイタリアの非営利団体であり人道組織です。女性や子供の生活を守るための活動をしています。
イタリアをはじめ、以下の地域で活動しています。
- 南米:ブラジル
- アフリカ:ケニア・タンザニア・ベナン
- アジア:インド・ネパール・カンボジア
今回の赤い印を顔に付ける活動はツイッターやインスタグラムでも「#unrossoallaviolenza(暴力に対するレッドカード)」というハッシュタグで広められていて、選手達だけでなく監督や有名人などが顔に赤い印を付けた写真をツイートしています。
セリエのスタジアムでも女性差別は度々問題になります。例えば2018年の開幕戦、ラツィオ対ナポリ戦でもラツィオのウルトラス(熱狂的なサポーター)が女性軽視のチラシを撒いて物議を醸しました。
と言っても女性差別や暴力はイタリアに限った問題ではありません。
11月25日は女性に対する暴力撤廃の国際デー
国連では、11月25日は女性に対する暴力撤廃の国際デーと定められています。
事務総長によるメッセージによると、全世界で女性の3人に1人が、生涯で1度は何らかの暴力を受けることがあるとのことです。
日本でも女性に対する暴力をなくす運動がある
日本でも11月12日から25日までの2週間を「女性に対する暴力をなくす運動」の期間として内閣府男女共同参画推進本部が呼びかけています。
まとめ
というわけで、セリエAの選手たちの顔に付いた赤いマークは「女性に対する暴力を無くすためのレッドカードを表したものでした。
ちなみに、サッカーの試合で選手入場時にエスコートキッズが採用されるようになったのも、子供たちに見られて恥ずかしくないお手本となるようなプレーを心がけようという意味があります。
スポーツでは指導者の体罰や選手のいじめなど、暴力がまだまだなくなりませんが、こうした活動が広まり、サッカーをはじめスポーツに携わる人々がこうした問題に関心を寄せ、それらをなくすよう普段から心がけて活動をしていくことが望まれます。
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