この記事を書いたのはもうすぐ小学校の夏休みが始まる時期ですが、札幌の小学校で夏季休暇に備えて防犯の訓練が行われたというニュースを見かけました。
そこでは防犯の心得として次の3つが挙げられていました。
- 観察力
- 距離感
- 断る力
よくよく内容を見ると、「この3つはサッカーの練習でもある程度は身につけられる力だな」と共通点を感じたので、ここで紹介することにしました。
学校が休みの間はお子様が1人でサッカーの練習や公園などへ遊びに行く機会も増えると思います。
特に小さなお子様を持つ保護者の方には、犯罪を未然に防ぎ 安全のためにもこの3つを知ってもらい、家庭内で共有してもらえればと思います。
防犯の心得:観察力 が身につくサッカーの練習
防犯の心得として1つ目に紹介されていたのは周囲を見渡し気を配るための観察力でした。
そのニュースでは観察力を鍛える訓練の方法として「だるまさんがころんだ」を行っていましたが、私もサッカースクールのキッズコースの練習では だるまさんがころんだ や 鬼ごっこ などを何度も行ったことがあります。
他にもウォーミングアップやドリブルの練習として、下の図のような 周りを見なければ他の子とぶつかる広さのグリッド(=四角)の中を四方から一斉に往復する練習も行います。

バックステップやサイドステップなど難易度も調整できます
これらの練習では周囲への観察力と同時に、次に紹介する相手との距離感も自然と身につけられます。
防犯の心得:距離感 が身につくサッカーの練習
防犯の心得として2つ目に紹介されていたのは、他人との距離感でした。
約1mの間隔を空ければ、とっさに腕などをつかまれたり体を触られたりせずに身を守れるということです。
さきほどご紹介した練習でも距離感を養えますが、他のサッカーの練習としては下の図のような1対1の練習が効果的でしょう。

これもダッシュ、ドリブルなど難易度を変えられます
距離感を養うのが目的であればダッシュとフェイントで相手をかわすように行うと良いですし、ドリブルで行えばサッカーの技術を伸ばすこともできます。
加えて、子供たちが楽しみながら練習できるという面でもおすすめです。
余談ですが、元日本代表やJリーグの監督を勤めた釜本邦茂(かまもと くにしげ)さんには『人通りが多い繁華街で歩いている時に通行人をかわすことでドリブルの間合いを身に付けた』というエピソードがあります。
本人いわく『近づきすぎたら怒られるし遠いと意味がない。ちょうど良い距離感が大事』ということでしたが、サッカーでも防犯でも役立つ話ですね。
防犯の心得:断る力 が身につくサッカーの練習
防犯の心得として3つ目に紹介されていたのは、「お菓子をあげる」「楽しい所に行こう」などと知らない人から何か誘われても、しっかり拒否することが大切という断る力でした。
そこでは緊急事態ではとっさに言葉が出ないこともあるので、何を言われても「できません」と言う習慣を身に付ける訓練をしていました。
この断る力に関しては特定のサッカーの練習で鍛えると言うよりは、普段の指導者・コーチ・監督、及び仲間の選手や保護者の方々との交流の中で養われると思います。
もちろん、指導者などの大人が一方的に指示して選手の意見を聞かないようなチームだと難しいのですが、最近ではサッカーを通じた人間教育を志すチームも増え、選手(子供)の意見を聞く、選手に考えさせるという所も多いです。
こういう他者との関わり合いの中で、しっかり意思表示をする機会を普段から作っておくことが断る力を身に付けることに繋がります。
また、自ら考える機会が多いチームに小さい時からいれば『怪しい人や場所に近づかない』といった行動や判断ができる様にもなりますね。
防犯もサッカーも大切なのは意識
防犯もサッカーも学ぶ時の意識が大切です。
同じ練習をしていてもサッカーの技術にだんだんと差がついてくるのは、才能の他に意識の差があるからです。
防犯についても同様に、どんなに良い訓練をしたり心得を教わったりしても、本人がふざけて話を聞かなかったり真面目に取り組まなかったりすれば安全の度合いも高まらないでしょう。
まとめ
それではおさらいとまとめです。
- 子供の防犯の心得として次の3つがある
- 観察力
- 距離感
- 断る力
- これらはサッカーの練習においても身に付けることが可能
- 大切なのは普段からの意識
もちろん、サッカー以外のスポーツでも身に付けることは可能でしょう。
個人的な意見ですが、防犯のためには次のようなことが必要だと思います。
- 世の中には危険なことがあることを子供にも認識させる
- 大人が安全な社会を作っていくことも大事だが自分の身を守る術を身に付けさせることも大切
私も小さい時に公園で『面白い映画がやっているんだけど行かないか?』と声をかけられたことがあり、ヤバイと思って逃げたことがあります。
身近なところにも危険は潜んでいるものです。
サッカーを通じて心身ともに健康な選手がたくさん育つよう、ひいては より地域と保護者の方々が連携できる社会になるよう願います。
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